改善計画書の作成ポイント「各々のグループの平均賃金改善額」などを算出します~ 介護職員等特定処遇改善加算⑨
2019年10月の消費税率の10%への引き上げに伴い、新加算が創設されています。
新加算は、「介護職員等特定処遇改善加算」です。略して「特定処遇改善加算」。
「改善計画書」は都道府県知事等に届けて出る必要があります
特定加算を取得しようとする介護サービス事業者等は、介護職員等特定処遇改善計画書を作成し、都道府県知事または市町村長に届け出る必要があります。
前回は、計画書の「処遇改善加算の見込額」(⑤欄)、「賃金改善の見込額」(⑥欄)の記載を紹介しました。
引き続き改善計画書作成に当たって「平均賃金額改善額」などの記載ポイントを紹介します
現行加算要件を記載します(様式2の②欄)
現行加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までのいずれかを算定していることが必要です。また、特定加算と同時に現行加算にかかる処遇改善計画書の届出を行い、算定される場合を含みます。
②欄は、次のとおりです。
サービス提供体制強化加算等の取得状況(介護福祉士の配置要件等)を、改善計画書に記載します。(同様式③欄)
サービス提供体制強化加算の最も上位の区分を算定している必要があります
■訪問介護
→ 特定事業所加算(Ⅰ)または(Ⅱ)
■特定施設入居者生活介護等
→ サービス提供体制強化加算(Ⅰ)イまたは入居継続支援加算
■介護老人福祉施設等
→ サービス提供体制強化加算(Ⅰ)イまたは日常生活継続支援加算
③欄は次のとおりです。
グループごとの平均賃金改善額および対象人数を記載します(同様式⑦~⑨欄)
グループごととは、経験・技能のある職員、他の介護職員、その他の職種の3つです。
各々のグループの平均賃金改善額を算出します
各介護サービス事業者等において賃金改善実施期間における賃金改善に要する見込額のグループごとの平均額
つまり(a-b)/cの金額です。
「a」、「b」、「c」とは次の金額です。
a:特定加算を取得し実施される賃金の改善見込額を加えた賃金のグループにおける総額
b:初めて特定加算を取得した月の属する年度の前年度の賃金の総額
c:当該グループの対象人数(原則として常勤換算方法による。)
⑦欄、⑧欄、⑨欄は次のとおりです。
次の賃金改善を行う賃金項目及び方法を記載します(同様式⑪欄)
■賃金改善を行う賃金項目
具体的には、増額若しくは新設したまたはする予定である給与の項目の種類(基本給、手当、賞与など)
■賃金改善の実施時期、対象職員
■一人当たりの平均賃金改善見込額
■「経験・技能のある介護職員」の基準設定の考え方
⑪欄は次のとおりです。
<参考>計画書の様式2の全体は次のとおりです。
(出所:老発0412 第8号平成31 年4月12 日付 厚生労働省老健局長通知「介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」)
次回火曜日は、引き続き改善計画書の「職場環境等要件」「見える化要件」などを解説します。
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火曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。
ブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kaigo/
介護職員等特定処遇改善加算(2019年10月実施)
④ 勤続10年以上の介護福祉士がいない「経験・技能のある介護職員」のルール
⑦ 特定処遇改善加算と処遇改善加算を合計した上乗せ率、最上位20%
⑧ 改善計画書作成2つのポイント。「特定加算の見込額」と「賃金改善の見込額」
2025年に向けた介護人材の確保~介護人材確保の具体的な方策
③ なぜ、介護職は働き続けるためのキャリアパスの構築ができないのか?
④ 介護職に必要なキャリアパスのキーワードは「多職種によるチームケアの推進」
⑨ 介護の在留資格。外国人の在留資格「特定技能」(介護)の創設
平成31年度の介護報酬改定(2019年10月実施)
② 高額対応投資
⑪ 新処遇改善加算の「10年以上8万円」と「事務所内での配分」の議論
⑬ 介護給付費分会での「新しい処遇改善加算の取得要件」についての意見
平成30年度
「有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護」の介護報酬改定は次のとおりです。
① 「新しい住宅セーフティネット法」が10月25日から施行されています
④ 有料老人ホームなど基本報酬の引上げを抑え、医療連携に新加算
⑩ ショートステイ特定施設入居者生活介護の利用者数の上限見直し
⑫ スプリンクラー設置義務の経過措置は平成30年3月31日に終了
「通所介護」の重要事項は次のとおり。
⑤ 「栄養改善加算」外部との連携で管理栄養士を配置した場合にも算定可能
⑥ 共生型生活介護など介護と障害福祉の両方で共生型サービスが始まっています。
⑧ 障害福祉サービス事業所が要介護者にサービスを提供する場合
「認知症対応型共同生活介護」重要事項は次のとおり
「介護老人保健施設」重要事項は次のとおり
① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入。
② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し
③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収
「訪問看護」重要事項は次のとおり
① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減。
② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し
③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します
④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟
「居宅介護支援」重要事項は次のとおり
② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し
③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し
⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ
⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し
「訪問介護サービス」重要事項は次のとおり
⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付け。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は、テーマはきめていません
免責
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