「特定加算」の仕組みと賃金改善の考え方の3つのポイント ~ 介護職員等特定処遇改善加算⑤
2019年10月の消費税率の10%への引き上げとともに、新加算が創設されています。
新加算は、「介護職員等特定処遇改善加算」です。
省略して「特定加算」といいます
次のような加算です。
(出所:介護給付費分科会資料)
今回は、基本的な仕組みと考え方を紹介します
加算算定の開始は2019年10月からです。
特定加算の仕組みとは
特定加算は、サービス別の基本サービス費に現行加算※を除く各種加算減算を加えた1月当たりの総単位数にサービス別加算率を乗じた単位数を算定することとしています。
特定加算は、区分支給限度基準額の算定対象から除外されています。
※ 現行加算
既に実施されている平成29年度の臨時改定における「介護職員処遇改善加算」のことです。
■賃金改善の考え方について (基本給による賃金改善が望ましい)
介護サービス事業者は、特定加算の算定額に相当する職員の賃金(基本給、手当、賞与等(退職手当を除きます。)の改善を実施する必要があります。
この賃金改善は、「基本給」、「手当」、「賞与」などのうち対象とする賃金項目を特定した上で行います。これらの特定した賃金項目を含めて、賃金水準を低下させてはいけません。
また、安定的な処遇改善が重要であることから、基本給による賃金改善が望ましいとされています。
■賃金水準の比較の考え方について
賃金改善は、現行加算による賃金改善と区別し判断する必要があります。
特定加算を取得していない場合の賃金水準と、特定加算を取得し実施される賃金水準との差分を用いて算出します。
なお、比較時点において勤務実績のない職員については、当該職員と同職であって、勤続年数等が同等の職員の賃金水準と比較します。
■特定加算の算定上、賃金改善で気をつけるべきルールについて
この特定加算の算定額に相当する賃金改善の実施と併せて、算定基準上、次の4点をクリアする必要があります。(「算定基準」:平成27年厚生労働省告示第95号)
①介護福祉士の配置要件
→ 特定事業所加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)のいずれかを算定していること。
②現行加算要件
→ 介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までのいずれかを算定していること。
③職場環境等要件
④見える化要件
<参考>
なお、この取組に要する費用については、算定要件における賃金改善の実施に要する費用に含まれません。
(出所:厚生労働省老健局長通知「介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方」H31/4/12)
次回の火曜日も、介護職員等特定処遇改善加算を検討していきます
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火曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。
ブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kaigo/
介護職員等特定処遇改善加算(2019年10月実施)
④ 勤続10年以上の介護福祉士がいない「経験・技能のある介護職員」のルール
2025年に向けた介護人材の確保~介護人材確保の具体的な方策
③ なぜ、介護職は働き続けるためのキャリアパスの構築ができないのか?
④ 介護職に必要なキャリアパスのキーワードは「多職種によるチームケアの推進」
⑨ 介護の在留資格。外国人の在留資格「特定技能」(介護)の創設
平成31年度の介護報酬改定(2019年10月実施)
② 高額対応投資
⑪ 新処遇改善加算の「10年以上8万円」と「事務所内での配分」の議論
⑬ 介護給付費分会での「新しい処遇改善加算の取得要件」についての意見
平成30年度
「有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護」の介護報酬改定は次のとおりです。
① 「新しい住宅セーフティネット法」が10月25日から施行されています
④ 有料老人ホームなど基本報酬の引上げを抑え、医療連携に新加算
⑩ ショートステイ特定施設入居者生活介護の利用者数の上限見直し
⑫ スプリンクラー設置義務の経過措置は平成30年3月31日に終了
「通所介護」の重要事項は次のとおり。
⑤ 「栄養改善加算」外部との連携で管理栄養士を配置した場合にも算定可能
⑥ 共生型生活介護など介護と障害福祉の両方で共生型サービスが始まっています。
⑧ 障害福祉サービス事業所が要介護者にサービスを提供する場合
「認知症対応型共同生活介護」重要事項は次のとおり
「介護老人保健施設」重要事項は次のとおり
① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入。
② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し
③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収
「訪問看護」重要事項は次のとおり
① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減。
② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し
③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します
④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟
「居宅介護支援」重要事項は次のとおり
② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し
③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し
⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ
⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し
「訪問介護サービス」重要事項は次のとおり
⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付け。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」
免責
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