井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.05.01.Tue | 介護事業

「すべての建物が集合住宅減算の対象となります」平成30年度介護報酬改定~訪問介護サービス⑤

平成30年度介護報酬改定の重要な改定事項を、カテゴリー別にご紹介します。

前回から訪問介護サービスの重要な改定事項をご説明しています。

 

今回は

「すべての建物が集合住宅減算の対象となります」

です。

訪問介護サービスの5回目です。

 

訪問介護を含む訪問サービス共通で、集合住宅減算が見直されました。次の内容です。

 

(訪問サービスの集合住宅減算の見直し)

① 訪問介護のサービス提供については、以下に該当する場合に10%減算とされていますが、建物の範囲等を見直し、いずれの場合も有料老人ホーム等以外の建物も対象とします。

ア 事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物(有料老人ホーム等に限る)に居住する者(改定案の左図)

イ 上記以外の範囲に所在する建物(有料老人ホーム等に限る)に居住する者(当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり20 人以上の場合)(改定案の右図)

 

② またアについて、事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物のうち、当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり50 人以上の場合は、減算幅を15%に見直します。(改定案の中図)

 

※ 有料老人ホームとは、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅のことです。

 

図(出所:日経ヘルスケア1月号)

 

改定前は

同一敷地内または隣接敷地内の建物の居住者にサービスを提供する場合には、1人からで10%減算となっていました。そして、改定前の減算対象の建物は「養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅」に限られていました

 

改定後は

改定後は全ての集合住宅が減算対象になります。

 

ようするに

普通のマンションなどで運営している訪問介護事業所から、同一・隣接敷地内の建物の居住者にサービスを提供した場合は、改定前は減算対象ではありませんでしたが、改定後は一人からでも10%の減算対象になります。

 

もうひとつの、訪問サービスの集合住宅減算の見直し

減算を受けている者の区分支給限度基準額を計算する際には、減算前の単位数を用いることになります。上限いっぱいまでサービスを提供していた場合、改定後は減算前の単位数でカウントしますので、収入が減少します。

 

なぜこうした見直しが行われたのか?は次の記事を参照ください。

「訪問介護」改定の主な論点

・論点⑤「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Every day is a new day!

みなさん、今日も春の1日を元気にお過ごしください。

 

火・木曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬の改定」を紹介しています。

ブログ記事は

http://www.y-itax.com/category/kaigo/

 

「訪問介護サービス」の改定事項

・①「基本報酬の見直し」はこちら(4/17)

・②「見守り的援助は身体介護に該当することを明確化」はこちら(4/19)

・③「新たに生活援助従事者研修課程が創設されました」はこちら(4/24)

・④「生活機能向上連携加算に下位ランクの加算Ⅰを新設」はこちら(4/26)

「訪問介護」改定の主な論点  

・論点①「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」はこちら(2/6)

・論点②「自立生活支援のための見守り的援助の明確化とは何か?」はこちら(2/8)

・論点③「身体介護と生活援助の報酬の見直しとは何か?」はこちら(2/13)

・論点④「生活援助中心型の担い手の拡大とは何か?」はこちら(2/15)

・論点⑤「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/22)

・論点⑥「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(2/27)

・論点⑦「サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化とは何か」はこちら(3/1)

・論点⑧「共生型訪問介護とは何か?」はこちら(3/6)

・論点⑨「介護職員処遇改善加算の見直しとは何か?」はこちら(3/8)

 

「通所介護」改定の主な論点

・①「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」はこちら(3/13)

・②「心身機能の維持に係るアウトカム評価の創設とは何か?」はこちら(3/15)

・③「機能訓練指導員の確保の促進とは何か?」はこちら(3/20)

・④「栄養改善の取組の推進とは何か?」はこちら(3/27)

・⑤「基本報酬のサービス提供時間区分の見直しとは何か?」はこちら(3/29)

・⑥「規模ごとの基本報酬の見直しとは何か?」はこちら(4/3)

・⑦「設備に係る共用の明確化とは何か?」はこちら(4/5)

・⑧「共生型通所介護とは何か?」はこちら(4/10)

・⑨「介護職員処遇改善加算の見直しとは何か?」はこちら(4/12)

 

「訪問看護」改定の主な論点 

・論点①「在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化とは何か?」はこちら(1/16)

・論点②「ターミナルケアの充実とは何か?」はこちら(1/18)

・論点③「複数名訪問加算の創設とは何か?」はこちら(1/23)

・論点④「訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直しとは何か?」はこちら(1/25)

・論点⑤「報酬体系の見直しとは何か?~基本サービス費を要支援者・要介護者で別立て」はこちら(1/30)

・論点⑥「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/1)

 

「居宅介護支援」改定の主な論点

・論点①「質の高いケアマネジメントの推進とは何か?」はこちら(12/26)

・論点②「公正中立なケアマネジメントの確保とは何か?」はこちら(12/28)

・論点③「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(1/2)

・論点④「医療と介護の連携強化とは何か?」はこちら(1/4)

・論点⑤「末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメントとは何か?」はこちら(1/9)

・論点⑥「障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携とは何か?」はこちら(1/11)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」

・水曜日は「新事業承継税制」

・金曜日は「相続税をわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税であやまりやすい事例」

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