「生活機能向上連携加算に下位ランクの加算Ⅰを新設」平成30年度介護報酬改定~訪問介護サービス④
平成30年度介護報酬改定の重要な改定事項を、カテゴリー別にご紹介します。
前回から訪問介護サービスの重要な改定事項をご説明しています。
今回は
「生活機能向上連携加算に下位ランクの加算Ⅰを新設」
です。
訪問介護サービスの4回目です。
新設の生活機能向上連携加算Ⅰとは、次の内容です
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師が利用者宅を訪問することが難しい場合においても、自立支援・重度化防止に資する介護を推進するため、次の定期的な取り組みを評価します。
① 訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーションを実施している事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200床未満のものに限る。)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師からの助言(アセスメント・カンファレンス)を受けることができる体制を構築し、助言を受けた上で、サービス提供責任者が生活機能の向上を目的とした訪問介護計画を作成(変更)すること
② 当該理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師は、通所リハビリテーション等のサービス提供の場において、又はICTを活用した動画等により、利用者の状態を把握した上で、助言を行うこと
(出所:介護給付費分科会資料から)
言い換えますと生活機能向上連携加算Ⅰとは
① 連携先の通所リハビリ・訪問リハビリ事業所やリハビリを行う医療提供施設の理学療法士等が利用者宅を訪問しなくても、テレビ会議などICTの活用で状態像などを受けて生活機能の向上を目的とした訪問介護計画を作成・変更した際に算定可能です。
② 連携先の理学療法士等の訪問が不要になったのが特徴です。
(出所:日経ヘルスケア4月号)
従来の「生活機能向上連携加算」は、次のとおり範囲が拡大しています
自立支援・重度化防止に資する介護を推進するため、現行の訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が利用者宅を訪問して行う場合に加えて、リハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200 床未満のものに限る。)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師が訪問して行う場合についても評価します。
医療におけるリハビリテーションと介護におけるリハビリテーションとの違いは、まだまだ勉強不足で充分に理解できていません。
しかし、医療においてもリハビリを受ける患者さんの在宅復帰を支援して、必要に応じて介護保険のリハビリへ早期に移行できるよう、診療報酬が見直されています。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
みなさん、今日も春の1日を元気にお過ごしください。
火・木曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬の改定」を紹介しています。
ブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kaigo/
「訪問介護サービス」の改定事項
・①「基本報酬の見直し」はこちら(4/17)
・②「見守り的援助は身体介護に該当することを明確化」はこちら(4/19)
・③「新たに生活援助従事者研修課程が創設されました」はこちら(4/24)
「訪問介護」改定の主な論点
・論点①「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」はこちら(2/6)
・論点②「自立生活支援のための見守り的援助の明確化とは何か?」はこちら(2/8)
・論点③「身体介護と生活援助の報酬の見直しとは何か?」はこちら(2/13)
・論点④「生活援助中心型の担い手の拡大とは何か?」はこちら(2/15)
・論点⑤「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/22)
・論点⑥「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(2/27)
・論点⑦「サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化とは何か」はこちら(3/1)
・論点⑧「共生型訪問介護とは何か?」はこちら(3/6)
・論点⑨「介護職員処遇改善加算の見直しとは何か?」はこちら(3/8)
「通所介護」改定の主な論点
・①「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」はこちら(3/13)
・②「心身機能の維持に係るアウトカム評価の創設とは何か?」はこちら(3/15)
・③「機能訓練指導員の確保の促進とは何か?」はこちら(3/20)
・④「栄養改善の取組の推進とは何か?」はこちら(3/27)
・⑤「基本報酬のサービス提供時間区分の見直しとは何か?」はこちら(3/29)
・⑥「規模ごとの基本報酬の見直しとは何か?」はこちら(4/3)
・⑦「設備に係る共用の明確化とは何か?」はこちら(4/5)
・⑧「共生型通所介護とは何か?」はこちら(4/10)
・⑨「介護職員処遇改善加算の見直しとは何か?」はこちら(4/12)
「訪問看護」改定の主な論点
・論点①「在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化とは何か?」はこちら(1/16)
・論点②「ターミナルケアの充実とは何か?」はこちら(1/18)
・論点③「複数名訪問加算の創設とは何か?」はこちら(1/23)
・論点④「訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直しとは何か?」はこちら(1/25)
・論点⑤「報酬体系の見直しとは何か?~基本サービス費を要支援者・要介護者で別立て」はこちら(1/30)
・論点⑥「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/1)
「居宅介護支援」改定の主な論点
・論点①「質の高いケアマネジメントの推進とは何か?」はこちら(12/26)
・論点②「公正中立なケアマネジメントの確保とは何か?」はこちら(12/28)
・論点③「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(1/2)
・論点④「医療と介護の連携強化とは何か?」はこちら(1/4)
・論点⑤「末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメントとは何か?」はこちら(1/9)
・論点⑥「障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携とは何か?」はこちら(1/11)
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に税理士からお伝えします」
・火・木曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」
・水曜日は「新事業承継税制」
・金曜日は「相続税をわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税であやまりやすい事例」