井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

一からはじめる会計のお手伝い。スタートアップの志を支える税理士。
Blog丁寧解説お役立ちブログ。
2018.01.23.Tue | 介護事業

平成30年度介護報酬改定の動向~訪問看護の論点③「複数名訪問加算の創設(看護補助者の同行可能に)とは何か?」

介護報酬改定に係る「訪問看護」の主な論点をご紹介します。

見直しの論点は次のとおりです。(出所:平成29年12月18日「平成30年度介護報酬改定に関する審議報告」)

 

「訪問看護」の見直しの主な論点

1 在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化

2 ターミナルケアの充実

 複数名訪問加算の創設(看護補助者の同行可能に)

4 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し

5 報酬体系の見直し

6 集合住宅減算(同一建物減算)の見直し

 

今回は

論点③「複数名訪問加算の創設(看護補助者の同行可能に)とは何か?」を紹介します。

 

「訪問看護の報酬・基準」について、介護給付費分科会で次のような意見がありました。(平成29年11月8日 第150回社会保障審議会同分科会)

 

(適切な訪問看護のあり方について)

複数名訪問について、暴力等の問題が新聞報道でも出ていることから、今後検討すべきではないでしょうか?

 

(訪問看護と他の介護保険サービスとの連携のあり方について)

医療保険では医師や看護師の周辺業務の効率化が加算で評価されており、介護保険でも同様の視点を導入していく観点が必要ではないでしょうか。

 

こうした議論の中で、次の論点と対応案が示されました。

 

論点(複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し)

「訪問看護における複数名訪問加算は、利用者の身体的理由により1人の看護師等では訪問看護が困難な場合等であって、利用者等の同意を得ている場合に算定できることとなっているが、複数名で行う訪問看護について、医療保険では看護師等以外の職員との訪問看護の評価が既にある実態も踏まえ、これらについて新たな評価を行ってはどうか?」

 

対応案(役割分担をした場合の評価区分の創設)

① 複数名訪問加算について、同時に訪問する者として、現行の看護師等とは別に看護補助者が同行し、役割分担をした場合の評価の区分を新たに創設してはどうでしょうか。

② この場合の看護補助者については、医療保険の訪問看護基本療養費の複数名訪問看護加算に係る疑義解釈で示されている者と同様としてはどうでしょうか?

 

<参考>複数名訪問加算の概要と現状

算定要件:

利用者や家族等から同意を得ており、以下のいずれかの場合に加算

① 利用者の身体的理由により1人の看護師等による訪問看護が困難と認められる場合

② 暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる場合

③ 利用者の状況等から判断して、①又は②に準じる場合

単位数:

30分未満254単位/回、30分以上402単位/回

複数名訪問加算 算定割合:

(訪問看護ステーション)30分未満 0.03%、30分以上0.24%

出典:老人保健課調べ(平成27年4月審査分)

 

(加算の要件や所要時間は下図のとおり 出所:第150回同分科会資料)

 

   

この課題を踏まえて、人材の有効活用、各種基準の緩和等を通じた効率化を図る意味から

次の見直しが示されています。

 

① 訪問看護における複数名訪問加算について、医療保険での取扱いを踏まえ、同時に訪問する者として、現行の看護師等とは別に看護補助者が同行し、役割分担をした場合の評価の区分を新たに創設することとします。

 

② この場合の看護補助者については、医療保険の訪問看護基本療養費の複数名訪問看護加算に係る疑義解釈で示されている者と同様とします。

 

昨年の12/5から介護報酬改定の動向を紹介しています。

改定に伴う介護サービスの論点を知っておくことは重要です。

 

介護事業は社会課題解決事業です。

介護事業の会計や税務・経営で気になる点について一緒にベストな解決策を検討しましょう。

ご相談については、電話やメールでお気軽にご相談ください(初回無料です)。

 

みなさん、今日も冬の1日を元気でお過ごしくださいね!

 

訪問看護の改定見直しの主な論点 

・論点①「在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化とは何か?」はこちら(1/16)

・論点②「ターミナルケアの充実とは何か?」はこちら(1/18)

 

居宅介護支援の改定見直しの論点

・論点①「質の高いケアマネジメントの推進とは何か?」はこちら(12/26)

・論点②「公正中立なケアマネジメントの確保とは何か?」はこちら(12/28)

・論点③「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(1/2)

・論点④「医療と介護の連携強化とは何か?」はこちら(1/4)

・論点⑤「末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメントとは何か?」はこちら(1/9)

・論点⑥「障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携とは何か?」はこちら(1/11)

通所介護サービスの適正化について

・「通所介護に係る基本報酬の減算措置を含めた介護報酬の適正化」はこちら(12/12)

・「通所介護サービスの論点~生活機能向上連携加算の創設」はこちら(12/21)

 訪問介護の生活援助の見直しについて

・「身体介護を含めて訪問介護の報酬を見直し」はこちら(12/7)

・「訪問介護サービスの論点~生活援助の担い手の拡大(基準の緩和)」はこちら(12/19)

 有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化について

・「有料老人ホーム等の訪問介護サービスの見直し」はこちら(12/5)

改定の方向性を踏まえて、TRAPE鎌田大敬氏が伝えたい「事業者が取り組むべき主な事項」

・「医療・介護報酬同時改定に関して現在までの整理」はこちら(12/14)

改定スケジュールはざっくりと把握しましょう

・「平成30年度介護報酬改定まで、あと4か月およびそのスケジュール感」はこちら(8/17)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」

・水曜日は「同族会社とその役員の手引き」

・金曜日は「相続税をわかりやすく!」

・土曜日は「会計の勉強を始めた起業者の方に“会計超理解ハンドブック”」

・日曜日は「住宅取得等資金の贈与の非課税」の誤りやすい事例

投稿タグ
カテゴリーで絞る
back記事一覧へ戻る

まずはお気軽にお問い合わせください

06-6318-7726

営業時間:9:00~17:00(月曜日~金曜日)

メールでのお問い合わせ