ヘルスケアサービスの差別化事例「健康増進事業(株)のセルフメディケーション促進事業」~地域ヘルスケア産業支援ファンドの出資を受けていますね。
日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門マネジャーである志水武史氏のお話をお伝えします。14回目です。
大阪健康寿命延伸産業創出プラットホーム(略称「OKJP」)の「新規ビジネスプラン創出研究会」に参加しました。そこで同氏が示された点で、私が重要だと考えたことを以下に述べます。
今回はヘルスケアサービス創出の基本的戦略「サービスの差別化・高付加価値化を図れ!」です。
前回の記事等から、その手段として、国が整備したヘルスツーリズム認証、アクティブレジャー認証制度を紹介してきました。今回は、企業が取り組む差別化の事例を紹介します。
健康増進事業株式会社の「セルフメディケーション」促進事業です。
この事業は、「医療機関が開発・効果検証した虚弱高齢者向け体力増進サービスをパッケージ化し、フランチャイズモデルで医療機関・介護施設に向けに」展開するものです。
事業の特徴として、
① フレイル層に対して、ⅰ遠赤外線低温温浴、ⅱ運動指導、ⅲ健康寿命延伸評価プログラムを組み合わせ、一体提供することで、健康寿命を延伸できることを実証(定量的エビデンスの蓄積)。
② 社会保障費削減効果は24万円/人/年と試算。社会保障費負担の増加に苦慮する自治体に有効なサービスを提供し、医療費・介護費の抑制という課題の解決を図る。
③ 全国自治体とタイアップしてプログラムを展開して、健康寿命の延伸に寄与。
具体的には下図のような事業です。
健康増進事業(株)の株主には、株式会社地域経済活性化支援機構(地域ヘルスケア産業支援ファンド投資事業有限責任組合)が2015年に主要株主となっています。
株式会社地域経済活性化支援機構とは
(Regional Economy Vitalization Corporation of Japan(略称REVIC))
2009年に設立。株式会社地域経済活性化支援機構法に基づき、中小企業者等の事業再生支援や地域経済の活性化に資するファンド運営を行う会社です。
機構の「ヘルスケア産業支援ファンド」とは
先進的な医療・ヘルスケア事業を行う事業者の成長を支援する、次のような取り組みです。
地域ヘルスケア産業支援ファンドは、健康増進事業株式会社のセルフメディケーション促進事業を支援するため2015年9月に出資しています。
ファンドは、広く全国を対象地域とし、以下3つの投資区分で事業成長を目指す事業者を対象としています。
1 保険内 地域包括ケアの成立支援(在宅事業、介護従事者支援、クリニック支援等)
2 保険外 公的保険を補完するサービス(検診事業、フィットネス等)
3 新規事業新たなヘルスケアサービス (観光・農業との連携、配食、街づくり等)
出資を受けるハードルは高いとは思いますが、有望な事業であれば検討されることをおすすめします。。
次回11/23(木)は、ヘルスケアサービス創出の基本的戦略NO6「IoT・健康情報ビッグデータを積極的に活用せよ」を紹介します。
介護事業は社会課題解決事業です。
保険料と税で運営されている社会保険制度としての制度ビジネスです。3年ごとに改定される制度変更には、しっかりと対応することをおすすめします。
会計や税務で気になる点について一緒にベストな解決策を検討しましょう。
ご相談については、電話やメールでお気軽にご相談ください(来所していただける場合初回無料です)。
火・木曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」として記事を紹介しています。
「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしています。
・「「アクティブレジャー認証」はこちら(11/16)
・「ヘルスツーリズム認証~サービスの差別化・高付加価値化を図れ!」はこちら(11/14)
・「マーケティングは適切に実施せよ!ヘルスケアサービス創出戦略」はこちら(11/9)
・「外部事業者の商品・サービスと連携せよ!」はこちら(11/7)
・「サービス提供分野を拡大せよ!」はこちら(11/2)
・「介護保険を活用せよ!」はこちら(10/31)
・「単品のサービスとしての差別化が困難」はこちら(10/26)
・「マネタイズ゙ができている先駆的事業モデル」はこちら(10/24)
・「グレーゾーン解消制度の活用!」はこちら(10/19)
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水曜日は、「同族会社とその役員の手引き」
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