自立支援促進のため「保険者への財政的インセンティブ」と「介護サービスへのインセンティブ」を導入
先日「自立支援を促進するためのインセンティブ強化のスケジュール」をおつたえしました。
それは、未来投資会議の「未来投資戦略2017」における取り組みを踏まえたもので、考え方は次のとおりです。
「自立支援に軸足を移していく。現場での自立支援の取り組みを促すインセンティブ強化も必要」
社会保障審議会・介護給付費分会における議論は、2018年度の介護報酬改定に向けて、この考え方を踏まえたものとなっています。
介護保険における自立支援の取り組みを促す「インセンティブ強化」の動きは下図のとおりです。
① 市町村に対する財政的インセンティブの導入が決まっています(国→自治体)
保険者(市町村)の要介護度改善に資する取り組みを強化するため、「要介護状態の維持・改善度合い」「地域ケア会議の開催状況」など自立支援に資する取り組みに関する指標に応じて2018年度から都道府県、市町村に財政的インセンティブを付与する予定です。
② 先行自治体が「介護サービス質の評価に向けた提言」を国に提出(自治体→国)
アウトカム評価を先行的に導入している自治体(品川区、川崎市、岡山市など7自治体)が集まり、介護給付費の増大を抑えつつ、要介護者の状態を維持・改善させることを目指すため、より質の高い介護サービスが提供される仕組みの創設などを2016年12月に提言しました。
③ 2018年度介護報酬改定で自立支援へのインデンティブの導入を検討(国→介護事業者)
その後、国はデータベースを構築に取り組み、2019年度末までにデータベースの試行開始、2020年度以降にデータベースの本格運用を開始します。効果が科学的に裏付けられた介護サービスについて2021年度以降の介護報酬改定で評価します。
④ 先行的な自治体が、自立支援へのインセンティブ導入の取り組み(自治体→介護事業者)
岡山市、品川区、川崎市など一部の自治体では、先行して独自の評価を定めて(例えば東京都江戸川区では「要介護度改善支援実施事業」など)、要介護高齢者の状態改善に対するインセンティブを介護事業者に導入する取り組みをしています。
(日経ヘルスケア8月号加筆修正)
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「何よりも変化を脅威ではなく、機会としてとらえなければならない(P・F・ドラッカー)」という至言を思い出しますね。
火・木・土曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。
「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。
最近の火・木曜日の「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」の記事は次のとおりです。
・「自立支援に軸足を、現場での自立支援の取り組みを促すインセンティブ強化も必要!およびそのスケジュール感」はこちら(9/28)
・「自立支援介護の全国展開と介護報酬への組み込みのため、科学的介護の実現が必要」はこちら(9/26)
土曜日は次のとおり「介護事業者のための会計ハンドブック」を連載しています。
・「介護会計のルールで大切なのは、会計の区分!」はこちら(9/30)
・「介護会計?介護事業における会計ルールとは?」はこちら(9/23)
最近よく読まれている記事
・「平成30年度の介護報酬改定まで、あと4か月およびそのスケジュール感」はこちら(8/17)
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