データヘルス改革~「ビッグデータの活用は、自立支援に向けた科学的介護を実現するため」
19日(火)に「何故、医療や介護にビッグデータが必要なのか?」「ビッグデータが何故パラダイムシフトを起こすのか?」を考えてみました。
今回は、厚生労働省が未来投資会議に提出した資料をもとに、どのようなデータベースを検討しているのかを紹介します。
(上図は第145回社保審介護給付費分科会平成29年8月23日開催 参考資料)
ビッグデータの活用の趣旨は、次のとおりです。
① 科学的に自立支援等の効果が裏付けられた介護を実現するため、科学的分析に必要なデータを新たに収集し、世界に例のないデータベースをゼロから構築します。
② データベースを分析し、科学的に自立支援等の効果が裏付けられたサービスを国民に提示します。
③ 2018(平成30)年度介護報酬改定から、自立支援に向けたインセンティブを検討します。
そのためには科学的分析に必要なデータを新たに収集する必要があります。次のようなデータを「保健医療データプラットフォーム」(新設)に収集します。
・高齢者個々人に関するデータ(高齢者の状態)
従来取得していたデータ
→ 要介護認定情報、日常生活動作(ADL)、 認知機能
新たに取得していくデータ
→ 身長、体重、血液検査、筋力、関節可動域、骨密度、開眼片脚起立時間、握力計測、心機能検査、肺機能検査など
・提供されたサービス
従来取得していたデータ → 介護サービスの種別
新たに取得していくデータ → 医療、リハビリテーション、介護の具体的なサービス内容
科学的に自立支援等の効果が裏付けられたサービスを具体化します。
それらを通じて、新たに科学的に自立支援等の効果が裏付けられたサービスの具体化を図り、科学的に自立支援等の効果が裏付けられた介護の具体像を、国民に紹介することとなっています。
それにもうひとつ「国民に対する見える化」を図ることとなっています。
介護報酬上の評価を用いて、科学的に効果が裏付けられたサービスを受けられる事業所を、厚生労働省のウェブサイト等において公表することとなっています。
(これは、国自らが科学的介護サービスを提供する事業所をPRしてくれるということですよね。)
自立支援と科学的介護が意味することは違うとは思いますが、「自立支援」の効果を科学的に「見える化」するということなのでしょうね。そのためにビッグデータを活用すると。
議論されている方向性にはしっかりと目配りされることをおすすめします。
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