地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律~〝財政的インセンティブのロールモデルとなった和光市の自立支援〟
介護保険法を含め老人福祉法等などの改正案が可決、6月2日に公布されました。6月15日木曜日のブログ記事でお伝えしました〝財政的インセンティブの導入〟の記事を続けて書きます。
改正のポイントは、「自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化」の中の〝財政的インセンティブの導入〟です。
財政的インセンティブの導入とは
ひとことでいうと「要介護度を改善した自治体に交付金」です。その背景の重度化防止のモデルの一例となっているのが和光市。それらの取組を横展開するということです。
「和光市は介護予防や自立支援に力を入れ、要支援者の重度化防止とともに介護保険からの『卒業』などを積極的に推進」している自治体です。(※この部分は日経ヘルスケア4月号から)
話は少しそれますが〝インセンティブincentive〟の意味は
(最近よく耳にする単語です。)
人の意欲を引き出すために「外部から与える刺激」「報償的仕組み」のことだそうです。
例えば、プロスポーツチームと選手が、成績による出来高制で契約を行う場合、「出来高の仕組みを選手に与えること」だそうです。
モチベーションは自発的動機付けですが、インセンティブは外部から与える動機付け。相違します。
和光市の介護予防や自立支援の取り組みの結果報告
厚生労働省老健局が平成26年3月に「市町村介護予防強化推進事業報告書」を公表しています。その中で他の12市町村とともに、和光市の取り組みが紹介されています。
厚生労働省は、平成24・25年度の2年間の予算事業として「市町村介護予防強化推進事業」を推進して、これらの13市町村がモデル事業として実施したのですね。
その事業の結果をとりまとめたものがこの報告書です。
このモデル事業を実施した市町村は次の市町村です
東京都世田谷区、岡山県岡山市、東京都荒川区、福島県大牟田市、奈良県生駒市、茨城県神栖市(かみすし)、埼玉県和光市、香川県坂出市、三重県いなべ市、大分県竹田市、沖縄県北中城村、長崎県佐々町、北海道下川町
この中で吹田市に人口規模等が近いのは荒川区です
荒川区 人口 206,749人 後期高齢者率 10.9%(平成26年3月)
吹田市 人口 361,877人 後期高齢者率 10.0%(平成26年9月)
和光市の取り組みの概要は、火曜日のブログでお伝えします。
火曜日、木曜日は地域の介護保険計画や地域医療構想を中心にした介護関係記事を掲載する予定でした。
しばらくは、火・木・土曜日は介護保険法の改正内容を記事にしたいと思っています。
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