貸倒損失(かしだおれそんしつ)として処理できる場合~ 知っておきたい法人節税策の基礎知識㉞
木曜日は、法人税などの節税の記事を紹介しています。
「貸倒損失」とは倒産などにより、売掛金・貸付金などの金銭債権が回収できなくなった債権者の損失のことをいいます
資産として計上されているものを、一定の理由が生じたとき損失として経費として処理するものです。
貸倒損失は「取引先の業績がよくない。債権回収が難しくなるという噂を聞いたので、資産計上している売掛金を、損失として経費処理する」といったように、好き勝手に経理処理することができません。
税務上は、経費処理できるルールに合致した時に、損失として計上しなければならないこととなっています。その処理は神経質なものになります。
処理のルールには次の3つがあります。
金銭債権が切り捨てられた場合
次に掲げるような事実に基づいて切り捨てられた金額は、その事実が生じた事業年度の損金の額に算入します。
①会社更生法、会社法、民事再生法などの規定により切り捨てられた金額
②法令の規定による整理手続によらない債権者集会の協議決定および行政機関や金融機関などのあっせんによる協議で、合理的な基準によって切り捨てられた金額
③債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができない場合に、その債務者に対して書面で明らかにした債務免除額
金銭債権の全額が回収不能となった場合
債務者の資産状況、支払能力等からその全額が回収できないことが明らかになった場合は、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理することができます。
ただし、担保物があるときは、その担保物を処分した後でなければ損金経理はできません。
(保証債務は現実に履行した後でなければ貸倒れの対象とすることはできません。)
一定期間取引停止後弁済がない場合など
次の場合には、その債務者に対する売掛債権(貸付金などは含みません。)について、その売掛債権の額から備忘価額を控除した残額を貸倒れとして損金経理をすることができます。
①継続的な取引を行っていた債務者の資産状況、支払能力等が悪化したため、その債務者との取引を停止した場合において、その取引停止の時と最後の弁済の時などのうち最も遅い時から1年以上経過したとき
ただし、その売掛債権について担保物のある場合は除きます。不動産取引のように、たまたま取引を行った債務者に対する売掛債権については、この取扱いの適用はありません。
③同一地域の債務者に対する売掛債権の総額が取立費用より少なく、支払を督促しても弁済がない場合
損失計上の時期や状態を見誤ると、税務上損金として認められなくなります。
もったいないです。
処理に注意することをおすすめします。
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春の1日を元気にお過ごしください。
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木曜日は「知っておきたい法人節税策の基礎知識」を載せています
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同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。
http://www.y-itax.com/category/houjin/
あてはまる事例を参考にしてくださいね。
土地貸借の税務ルール
・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)
・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)
・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)
・「権利金に代えて、相当の地代に満たない地代を支払うケース」はこちら(2/21)
・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)
土地売買の税務ルール
・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)
・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)
・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)
・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)
・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)
・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)
建物貸借の税務ルール
・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)
・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)
・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)
・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)
金銭貸借の税務ルール
・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)
・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)
・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)
・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)
・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)
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