社員旅行の費用を、福利厚生費として処理するために ~ 知っておきたい法人節税策の基礎知識㉘
宴会、旅行などのレクレーション行事について、こうした行事費用を会社で負担している場合には、役員や社員はその行事に参加することにより経済的利益を受けることになります。
こうしたことから「現物給与」として課税の問題が生じます
現物給与とは
聞き慣れない言葉だと思います。
給与所得の収入金額には、金銭で収受するものだけに限りません。金銭以外の物品や権利その他の経済的利益により受けるものが含まれます。これらは、給与等とされる経済的利益といいます。現物給与(げんぶつきゅうよ)といいます。
しかし、原則として宴会、旅行などのレクレーション費用は、次の理由から現物給与としての課税は行わないこととしています。
■このような経済的利益は少額です。
■こうした利益は、レクレーション行事に参加することによる「反射的(間接的)な」利益です。
■経済的利益を金額的に測定することが困難です。
ただし、少額な利益を想定していますので課税しなければならないケースがあります。
こうしたことから
法人の事業に関連する費用として、役員や社員の福利厚生のための社員旅行を経費として損金するには、次の要件のすべてを満たす必要があります。
①経済的利益が少額となること
②その行事を会社などの使用者が主催していること。具体的には、社員の全員を対象とした行事で、参加者人数が全体の50%以上であること。
③国内旅行の場合、旅行日程が4泊5日
④海外旅行の場合、現地滞在日程が4泊5日
⑤不参加者に金銭を支給しないこと
参考 所得税基本通達
6-30 課税しない経済的利益 – 使用者が負担するレクリエーションの費用
使用者が役員または使用人のレクリエーションのために社会通念上一般的に行われていると認められる会食、旅行、演芸会、運動会等の行事の費用を負担することにより、これらの行事に参加した役員または使用人が受ける経済的利益については、使用者が、当該行事に参加しなかった役員又は使用人(使用者の業務の必要に基づき参加できなかった者を除く。)に対しその参加に代えて金銭を支給する場合または役員だけを対象として当該行事の費用を負担する場合を除き、課税しなくて差し支えない。
(注) 上記の行事に参加しなかった者(使用者の業務の必要に基づき参加できなかった者を含む。)に支給する金銭については、給与等として課税することに留意する。
Every day is a new day!
春の1日を元気にお過ごしください。
【編集後記】
私は、会社の社員旅行があたりまえに行われていた世代の者ですが。
現在、会社主催の社員旅行は大げさかもしれません。
しかし、社内の親睦や融和を図るためのレクレーションは、仕事以上に大切で重要だと思っています。
コミュニケーションが質的に向上します。
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木曜日は「知っておきたい法人節税策の基礎知識」を載せています
・飲食費のうち、会議費・交際費・福利厚生費として認められるもの
・退職金が節税につながる三つのメリット。税制上大変優遇されています
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同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。
http://www.y-itax.com/category/houjin/
あてはまる事例を参考にしてくださいね。
土地貸借の税務ルール
・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)
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・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)
土地売買の税務ルール
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・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)
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・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)
・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)
建物貸借の税務ルール
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