法人の役員が業務のため海外渡航したが、このうちプライベートの旅行費用が含まれる場合~ 法人節税策の基礎知識[101]
今回は
たとえば、往復航空券代や空港間のバス代は経費になりますか?
を紹介します。
法人の役員の海外渡航に際して支給する旅費は
その海外渡航がその法人の業務の遂行上必要なものであり、かつ、その渡航のため通常必要と認められる部分の金額は、旅費として法人の損金になります。
したがって、次の部分は旅費ではなく役員に対する給与となります
A:法人の業務の遂行上必要とは認められない海外渡航の旅費の額
B:法人の業務の遂行上必要と認められる海外渡航であってもその旅費の額のうち通常必要と認められる金額を超える部分の金額
海外渡航が旅行期間のおおむね全期間を通じ、明らかに法人の業務の遂行上必要と認められる場合
海外渡航のために支給する旅費は、社会通念上合理的な基準によって計算されているなど不当に多額でないと認められる限り、その全額を旅費として経理することができます。
「業務の遂行上必要な海外渡航」の判定は次のように行います
法人の役員の海外渡航が法人の業務の遂行上必要なものであるかどうかは、その旅行の目的、旅行先、旅行経路、旅行期間等を総合勘案して実質的に判定することになります。
次に掲げる旅行は、原則として法人の業務の遂行上必要な海外渡航に該当しません
A: 観光渡航の許可を得て行う旅行
B: 旅行あっせんを行う者等が行う団体旅行に応募してする旅行
C: 同業者団体その他これに準ずる団体が主催して行う団体旅行で主として観光目的と認められるもの
ただし、上記AからCの旅行に該当する場合であっても
その海外渡航の旅行期間内における旅行先、行った仕事の内容等からみて法人の業務にとって直接関連のあるものがあると認められるときは、法人の支給するその海外渡航に要する旅費のうち、法人の業務にとって直接関連のある部分の旅行について直接要した費用の額は、旅費として損金の額に算入できます。
業務の遂行上必要と認められる旅行と認められない旅行とを併せて行った場合の旅費のルール
海外渡航に際して支給する旅費を法人の業務の遂行上必要と認められる旅行の期間と認められない旅行の期間との比などによりあん分し、法人の業務の遂行上必要と認められない旅行に係る部分の金額については、その役員に対する給与となります。
海外渡航の直接の動機が特定の取引先との商談、契約の締結等法人の業務の遂行のためであり、その海外渡航を機会に観光を併せて行うものである場合には
往復の旅費(その取引先の所在地等その業務を遂行する場所までのものに限ります。)は、法人の業務の遂行上必要と認められるものとして、その海外渡航に際して支給する旅費の額から控除した残額につき、この「業務の遂行上必要と認められる旅行と認められない旅行とを併せて行った場合の旅費」のルールが適用されます。
(国税庁:タックスアンサー No.5388 海外渡航費の取扱い)
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