経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)のメリットと注意したいポイント ~ 法人節税策の基礎知識[72]
今回は
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)のメリットと注意したいポイント
を紹介します。
経営セーフティ共済は「中小企業倒産防止共済制度」ともいいます。中小企業基盤整備機構という独立行政法人が制度を運営しています。
引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れできます。
経営セーフティ共済のメリットは次の5つです。
①共済金の借入れは、無担保・無保証人で受けられます
共済金貸付額の上限は「回収困難となった売掛金債権等の額」か「納付された掛金総額の10倍(最高8,000万円)」の、いずれか少ないほうの金額となります。
②取引先が倒産後、借入れできます
取引先の事業者が倒産し、売掛金などの回収が困難になったときは、その事業者との取引の確認が済みしだい、借り入れることができます。
③掛金は税制で優遇されています
掛金月額は5,000円~20万円まで自由に選べます。増額・減額できます。
確定申告の際、掛金を損金(法人の場合)、または必要経費(個人事業主の場合)に算入できます。
④解約手当金が受けとれます
共済契約を解約した場合、解約手当金を受け取れます。自己都合の解約であっても、掛金を12か月以上納めていれば掛金総額の8割以上が戻ります。
40か月以上納めていれば、掛金全額が戻ります。
⑤1年分は前納可能で損金にできます
たとえば掛金を月額20万円にすれば最大で年間240万円を損金に算入することができます。
なお、掛金は800万円まで積立が可能です。
将来、個人が法人成りした場合には、実質的に事業を継続していますので
次のような要件を満たすことで、個人から共済契約者の地位を引き継ぐことができます
■法人が加入資格(中小企業者であることなど)を満たしていること
■法人が現契約における共済金や一時貸付金の返済、および違約金の支払いの義務を引き受けること
■承継事由が生じてから3か月以内に手続きをすること
個人で継続して経営セーフティの掛金を支払っていても、出口(解約)の際に解約手当金は事業所得の収入金額に計上することになります。
法人成りで事業を継続しておれば、解約した時点での解約手当金は益金になりますが、その際に役員の退職金(損金)を支払うことにより、損益通算することができます。
また、受け取る退職金は退職所得として税制上有利な取扱いになっています。
経営セーフティ共済の注意したい点は次の2つです
・起業1年目の方には使えません。
・12カ月未満は掛金全額の戻りはありません。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
秋の1日を元気にお過ごしください。
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