会社が役員から建物を借りる場合に注意したいこと ~ 知っておきたい法人節税策の基礎知識[58]
木曜日は法人税の記事を書いています。
今回は
会社が役員から建物を借りる場合に注意したいこと
を紹介します。
役員が会社に建物を貸すケースとして、しばしばご質問をうけることがあります。
会社が役員から建物を借りる場合は、第3者に貸す際の標準の賃料を基準にします
法人税法上、ルールがあるわけではありませんが、その建物を第三者から借りた場合に支払う通常の相場の家賃がどうかによって、判断することになります。
通常相場の家賃と違うケースでは
①実際の家賃が通常相場の家賃よりも低い場合と②実際の家賃が通常相場の家賃が高い場合が考えられます。
①実際の家賃が通常相場の家賃よりも低い場合では
実際家賃との差額が、社長から会社に対する贈与と考えられます。言い換えますと、会社は、役員から差額相当分の受贈益を受けていると考えます。
しかし、同額の支払家賃が発生していると考えますので、課税上問題になることはありません。
差額分については次のような仕訳になります。したがって、損金と益金が相殺されることになり、会社の所得金額には影響がありません。
支払家賃(損金算入) 〇〇円 / 受 贈 益(益金算入) 〇〇円
なお、役員の方は所得税法上、個人はあくまでも実際に受け取ったものについてのみ、収入金額として計上することになります。このような低い家賃を受け取ったケースでは、その低い家賃をそのまま個人の不動産所得の収入金額として計算します。
②実際の家賃が通常相場の家賃が高い場合では
問題が発生します。
通常相場よりも高い部分の金額が、役員給与と認定される可能性があります。
役員給与となれば、定期同額給与に該当し、その高額な部分に対する源泉徴収が必要となります。
また、役員報酬の限度額を超える場合は、役員給与の損金不算入となり、会社の所得計算に影響が生じます。
また、役員については、その通常相場を超える部分については、不動産所得ではなく、あくまで会社からの報酬となり、給与所得の収入金額になります。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
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同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。
http://www.y-itax.com/category/houjin/
あてはまる事例を参考にしてくださいね。
土地貸借の税務ルール
・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)
・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)
・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)
・「権利金に代えて、相当の地代に満たない地代を支払うケース」はこちら(2/21)
・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)
土地売買の税務ルール
・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)
・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)
・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)
・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)
・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)
・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)
建物貸借の税務ルール
・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)
・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)
・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)
・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)
金銭貸借の税務ルール
・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)
・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)
・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)
・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)
・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)
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