介護ロボットの導入による業務負担軽減と経営力向上計画の作成 ~ 2040年問題⑩
介護現場の生産性向上を図る目的で、令和2年度予算案の中に「介護分野における生産性向上の推進」という項目があります。これから審議されるわけですが、それに関連して
生産性を向上させるため介護ロボットを導入した場合の税制優遇措置がすでにあります。
ざっくりとは
「介護ロボットの導入による業務負担の軽減」に取り組むことを含む経営力向上計画を策定し、厚生労働大臣の認定を受けることにより
次のような優遇措置の適用を受けることができます。
■中小企業経営強化税制の適用
中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき、一定の設備を新規取得等して事業の用に供した場合に、即時償却又は取得価格の10%の税額控除(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)が選択できます。
■中小企業の生産性向上のための固定資産税の特例
生産性向上特別措置法の認定を受けた先端設備等導入計画に基き、一定の設備を新規取得した場合に、固定資産税が3年間にわたりゼロから2分の1の間で市町村が定める税率に軽減されます。
この優遇措置を受けるには経営力向上計画の認定が必要です
令和元年11月30日現在、97,548件を認定されています。
事業分野別に認定を受けるわけですが、このうち介護分野の認定は30件です。全体に対して0.03%にしかなりません。
「経営力向上計画」の作成と認定とは
事業者は、人材育成、コスト管理のマネジメントの向上や設備投資など、事業者の経営力を向上させるための取組内容などを記載した事業計画(「経営力向上計画」)を作成します。
計画の認定を受けた事業者は、固定資産税の軽減などの税制優遇措置の特例措置を受けることができます。
介護分野における経営力向上計画を作成するための指針があります。(厚生労働省告示第284号 平成28年7月1日)
指針では、次のように指標や計画において実施すべき事項を説明しています。
介護分野における経営力向上の度合を測るための指標としては
職員の勤続年数、離職率、入職率、顧客満足度その他の事業者において設定する客観的に評価可能な指標を用います。
ちなみに、製造業などでは労働生産性として、営業利益、人件費および減価償却費の合計を、労働投入量(労働者数又は労働者数×一人当たり年間就業時間)で除したものを使用します。
経営力向上計画において実施すべき事項とは
①事業活動に有用な知識または技能を有する人材の育成
②財務内容の分析の結果の活用
③商品または役務の需要の動向に関する情報の活用
④経営能率の向上のための情報システムの構築
⑤経営資源の組合せ
⑥その他の経営資源を高度に利用する方法
介護ロボットなどの利用は、「⑥その他の経営資源を高度に利用する方法」で実施すべき事項の中で、取りあげます。
また、すべての項目を実施するわけではありません。実施項目は経営規模により決められています。たとえば、従業員5人以下であれば1項目、100以下の規模であれば2項目となっています。
「2040年問題」とは
高齢世代の高齢化、団塊ジュニアの高齢化(65歳以上)という人口構造の変化により、日本の社会に新たな問題が生じることです。
しかし、それを「問題」ととらえるか、「変化」ととらえるかで、モチベーションに違いが生まれます。
後者の立場で、積極的な考え方をしていきたと考えています。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
冬の1日を元気でお過ごしください。
2040年問題
① 介護保険制度地域支援事業の「生活支援サービス」へのニーズの増加
② 介護サービスの利用者数は2040年度までに約1.5倍に増える見込です
③ 「ポスト2025年」2040年に向けて介護事業を考えるときの視点
④ 2040年に向けて介護事業を考えるときの視点「健康寿命の延伸」とは
⑤ 介護事業を考えるときの視点「医療・福祉サービスの改革」とは
⑥ 介護事業を考えるときの視点「健康寿命の延伸プラン」の内容とは
⑦ 生産性の向上を図るための「医療・福祉サービスの改革」の内容とは
⑧ 「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」マンパワーシミュレーション
⑨ 介護ロボット開発等加速化事業と税制優遇措置(税額控除と固定資産税の特例)
高齢化に伴う日本の社会的課題に対して、会計・税務専門職としての役割を果たしたいと考えております。
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火曜日は、介護事業に関する記事を紹介しています。
ブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kaigo/
介護職員等特定処遇改善加算(2019年10月実施)
③ 勤続10年以上の介護福祉士がいない「経験・技能のある介護職員」のルール
④ 勤続10年以上の介護福祉士がいない「経験・技能のある介護職員」のルール
⑦ 特定処遇改善加算と処遇改善加算を合計した上乗せ率、最上位20%
⑧ 改善計画書作成2つのポイント。「特定加算の見込額」と「賃金改善の見込額」
⑨ 改善計画書の作成ポイント「各々のグループの平均賃金改善額を算出」
⑩ 改善計画書の作成ポイント。3要件のうち「職場環境等要件」とは
⑬ 4月から“年5日の年次有給休暇取得の義務”をご存じですか
⑭ 2019年4月から「労働時間の状況の把握」が義務化されています
⑮ 「職場環境等要件」と介護プロフェッショナルキャリア段位制度
⑯ 特定加算(Ⅱ)の算定にあたっては介護福祉士の配置等要件は満たす必要はない
⑳ 事業所内で働く介護職員がすべて「経験・技能のある介護職員」である場合
㉑ 介護だけではなく、看護や障害福祉サービスの業務を兼業している職員がいる場合
2025年に向けた介護人材の確保~介護人材確保の具体的な方策
③ なぜ、介護職は働き続けるためのキャリアパスの構築ができないのか?
④ 介護職に必要なキャリアパスのキーワードは「多職種によるチームケアの推進」
⑨ 介護の在留資格。外国人の在留資格「特定技能」(介護)の創設
平成31年度の介護報酬改定(2019年10月実施)
② 高額対応投資
⑪ 新処遇改善加算の「10年以上8万円」と「事務所内での配分」の議論
⑬ 介護給付費分会での「新しい処遇改善加算の取得要件」についての意見
平成30年度
「有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護」の介護報酬改定は次のとおりです。
① 「新しい住宅セーフティネット法」が10月25日から施行されています
④ 有料老人ホームなど基本報酬の引上げを抑え、医療連携に新加算
⑩ ショートステイ特定施設入居者生活介護の利用者数の上限見直し
⑫ スプリンクラー設置義務の経過措置は平成30年3月31日に終了
「通所介護」の重要事項は次のとおり。
⑤ 「栄養改善加算」外部との連携で管理栄養士を配置した場合にも算定可能
⑥ 共生型生活介護など介護と障害福祉の両方で共生型サービスが始まっています。
⑧ 障害福祉サービス事業所が要介護者にサービスを提供する場合
「認知症対応型共同生活介護」重要事項は次のとおり
「介護老人保健施設」重要事項は次のとおり
① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入。
② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し
③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収
「訪問看護」重要事項は次のとおり
① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減。
② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し
③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します
④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟
「居宅介護支援」重要事項は次のとおり
② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し
③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し
⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ
⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し
「訪問介護サービス」重要事項は次のとおり
⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付け。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
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・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
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・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日はテーマをきめていません
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