嫁でも介護などで遺産請求ができるようになりました。「特別寄与料」の相続税の取扱い ~ 相続法の改正で大きく変わります⑥
金曜日は、相続税や贈与税を記事にしています。40年ぶりに相続法が改正されています。
特別寄与料を請求できる権利を新設しています。
「特別寄与料」を請求できる権利とは
たとえば、長男の妻は、長期間にわたって義理の父親の介護していました。
■義理の父親が死亡した場合、相続人(長女・次男)は、被相続人の介護を全く行っていなかったとしても、相続財産を取得することができます。
■しかし、長男の妻は、どんなに被相続人の介護に尽くしても、相続人ではないため、被相続人の死亡に際し、相続財産の分配にあずかれませんでした。
■介護等の貢献に報い実質的な公平を図るため、相続開始後、長男の妻は、相続人(長女・次男)に対して、金銭の請求をすることができるようにしました。
《参照》「特別寄与料の請求権」の新設
通常の介護等ではなく「特別」の介護が対象となります。
支払を請求できる人
さきほどの例でいえば、長男の妻が該当します。
つまり、相続人以外の親族。親族とは配偶者と6親等以内の血族、そして3親等以内の姻族(長男の嫁は姻族です)です。
遺産分割協議において、相続人に対して請求します
協議が整わないときは、家庭裁判所に請求することになります
ただし、遺産請求できるハードルは高い
被相続人に対して行った無償での療養看護が対象になり、特別の寄与をしたと認められることが必要です
「特別寄与料」の相続税の取扱いで注意したい4つのポイントは次のとおりです
みなし遺贈として相続税が課税されます
特別寄与者(事例でいえば長男の嫁)が相続人から取得した特別寄与料は、被相続人からのみなし遺贈として相続税が課税されます。
申告書の申告期限
通常の申告期限と同じです。通常は被相続人の死亡の日から10月以内です。
くわしく言うと、特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額が確定した事由を知った日から10月以内です。
2割加算の適用があります
特別寄与者は「被相続人の一親等の血族および配偶者以外の者である」ことから、相続税額の2割加算の適用を受けることになります
《参照》2割加算とは
相続人が支払う特別寄与料は債務控除できます
相続人が支払うべき特別寄与料の額は、相続人の相続税の課税価格から債務控除します。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
秋の1日を元気にお過ごしください。
相続法の改正で大きく変わります
・18歳から「大人」。成年年齢引き下げで変わる相続税・贈与税
これならわかる相続税
② 相続税がかかる財産。相続税のかかる財産の範囲を確認しましょう
⑤ 死亡保険金は相続財産になる?相続税がかかる場合と計算方法
⑦ 弔慰金を受け取ったとき、相続税がかかる場合とその計算方法
⑧ 企業年金など被相続人の死亡により取得する年金受給権。相続税の3つのポイント
⑭ 相続財産を公益法人などに寄附したとき相続税の対象としない特例があります
⑮ 特定一般社団法人等の理事が亡くなった場合、法人に相続税が課税されます
⑳ 相続開始前3年以内の贈与財産の加算と贈与税額控除(暦年課税)
㉑ 「未成年者の税額控除」未成年者の相続で注意すべきポイント
㉒ 障害者税額控除
㉓ 10年以内に父と母が立て続けになくなったなど、連続で相続が発生した場合
㉔ 法定相続人の数は重要です。相続人の中に養子がいるときは注意です
㉕ 代償分割とは、遺産の現物分割が困難な場合に行われる方法です
㉙ 財産がいくら以上であるとかかるのか?いつまでに手続きをするのか?
㉛ 相続時精算課税は相続税のかからない方に有利な贈与税の制度です
㉟ 相続時精算課税と住宅取得等資金の贈与の特例は併用できます
㊱ 相続時精算課税と住宅取得等資金の贈与特例の併用の際、家屋に居住できないとき
㊲ 消費税増税に伴い、住宅取得等資金贈与の非課税限度額が引き上げられています
㊳ 相続時精算課税選択後、相続税の基礎控除額以下であれば相続税の申告は不要です
㊴ 贈与者が贈与した年の中途に死亡した場合、相続時精算課税選択届出書の提出
㊵ 年の中途に養子縁組で推定相続人または孫となった場合の相続時精算課税の適用
㊶ 養子縁組した養子の子(孫)は相続時精算課税を受けることとできますか?
㊸ 相続時精算課税を選択する場合の「相続時精算課税選択届出書」と添付書類
㊹ 受贈者が「相続時精算課税選択届出書」を提出する前に死亡した場合
㊺ 贈与者が贈与をした年に死亡した場合「贈与税・相続税の取扱い」の考え方
相続税をわかりやすく!
② 遺産の分割が決まらないときでも、相続税の申告期限が延びることはありません。
③ 亡くなった方が遺言を残していなかった場合は、遺産分割協議書を作成します。
⑩ 払いすぎた相続税を取り戻す手続き。「更正の請求」のポイント。
⑪ 子どもがいる人が再婚したとき、連れ子は遺産を受け取る権利はありません。
⑰ 長期間結婚している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等を保護
㉑ 遺言よりも登記を優先。銀行など第三者が貸付金を回収しやすくなります
⑭ 相続財産を公益法人などに寄附したとき相続税の対象としない特例があります
金曜日は「相続税をわかりやすく!」を紹介しています。
争族を避けるための基礎知識、相続の権利でよく出てくる問題、節税の三原則などをお伝えしています。
「相続税をわかりやすく!」の記事は
http://www.y-itax.com/category/souzoku/
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成31年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日はテーマを決めずに書いてます
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