夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除 ~ 「贈与税配偶者控除の特例のチェックシート」
先週、「贈与税の配偶者控除の特例」が適用できるのかどうか?のご照会をうけました。
質問は
夫から居住用の不動産を贈与された場合、その財産額が2,000万円以下なら課税されないと聞きました。これは本当でしょうか?
です。
今回はこの特例をご紹介します。
「贈与税の配偶者控除の特例」とは、どういう制度かといいますと
夫から妻へ、または妻から夫へ、という夫婦間の贈与で、その贈与財産が居住用不動産などで、一定の要件にあてはまる場合、贈与税が課税されない特例です。
夫婦間で居住用不動産などの贈与があった場合、贈与税の配偶者控除といって、2,000万円の特別控除を行うことができます。
特例を受けるためには
次の項目がすべて「はい」であれば適用をうけることができます。
■同一配偶者からの贈与ですか?贈与税の配偶者控除の特例の適用を初めて受けますか?
→ はい
■贈与者(贈与をした夫または妻)との婚姻期間は、20年以上ですか?
→ はい
婚姻の届出をした日から贈与の日までの期間により計算します。
(婚姻の届出日)~(贈与登記の日):婚姻期間○年、1年未満の端数は切り捨て
■贈与を受けた財産は、国内にある居住用不動産またはその取得のための金銭ですか?
→ はい
金銭の場合、2020年3月15日までに国内にある居住用不動の取得に充てる必要があります。
■贈与を受けた居住用不動産または贈与を受けた金銭により取得した居住用不動産に2020年3月15日までに居住し、かつ、その後も引き続いて居住する見込みですか?
→ はい
■贈与を受けた居住用不動産は、あなたの居住用として使用されていますか?
→ はい
■贈与を受けた居住用不動産が土地のみの場合、その土地の上の居住用家屋は、あなたまたは配偶者若しくは同居する親族が所有するものですか?
→ はい
要件を簡単にしますと、次のようになります
要件のほかに注意点すべき点が3つあります
こちらの方が大事かもしれません。
①贈与が行われた場合、贈与税配偶者控除2,000万円と基礎控除110万円=2,110万円で以下であれば、課税されません。ただし、特例の適用を受けるためには贈与税の申告は必要です。
②居住用不動産の価額は、時価ではなく相続税評価額を基準とします。
③受贈者(贈与を受けた者)に対して、地方税である一定の不動産取得税がかかります。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
夏の1日を元気にお過ごしください。
【編集後記】
贈与のブログ記事の一部で、電話やメールによる税務相談が無料となるように受け取られるような記述をしておりました。
申し訳ありません。一部の記事などを修正いたしました。
昨日は、久しぶりの1日オフでした。
観葉植物に水をやり、車を洗い、玄関と靴を磨きました。その後、肥後橋にある「讃岐うどん江戸堀木田」に。なんと1時間待ち!です。
(梅田の「はがくれ」がなくなり、残念です。)
その後、JUNKUDOに〝内田本〟(内田樹さん)が新しく出ていましたので。それを買って楽しく読んでます。
贈与税や将来の相続の問題のご相談をお伺いしております。
問題をお伺いしたうえで、税務の専門家として、丁寧にアドバイスさせていただきます。
住宅取得等資金の贈与税の非課税 誤りやすい事例
① 資金の贈与を受けたが、翌年の3月15日までに家に住めない
④ 住宅ローン控除と併用可能ですが、贈与部分は適用できません
⑧ 父親からもらったお金で土地を妻が購入後、夫が自己資金で家屋を新築
贈与税をわかりやすく
① 贈与税がかかる場合~親子間、夫婦間でも贈与税はかかります。
③ 贈与する前にいったいどれくらいの贈与税がかかるのか知っておく必要があります。
④ 相続時精算課税は相続税のかからない親の場合にはベストな贈与です。
⑤ 共働きの夫婦が住宅購入した場合、購入資金の負担割合で所有権登記をして下さい。
⑥ 離婚して財産をもらったとき、贈与税がかかる場合があります。
⑧ 贈与税がかかる生命保険金、もらったつもりがないのにかかる贈与税。
⑨ 親族間で低額で土地を譲り受けたとき、贈与税がかかります。
⑪ 借金付きの贈与は、やってはいけないし、もらってもいけません。
⑫ 贈与税の申告と納付はどうやるの?払うのは誰?いつ払うの?
⑬ 親の土地に子どもが家を建てたときに知っておきたい税金のこと
⑮ 親の借地に子どもが家を建てたときに知っておきたい税金のこと
⑯ 父親名義の建物に子どもが増築したとき、贈与税が課税されます
⑰ 親名義の建物に子どもが増築したとき、増築前の家屋の名義を子どもに変更する
⑳ 相続時精算課税は、贈与財産の種類・金額・贈与回数を問いません
㉓ 相続時精算課税の特例。住宅取得等資金の贈与の非課税と併せて適用可能
㉔ 相続時精算課税と住宅取得等資金の贈与の特例の両方活用時の3つのポイント
㉕ 住宅取得等資金とそれ以外の財産を同一年中に贈与されたとき(相続時精算課税)
㉖ 住宅取得等資金で取得した家屋に居住できないとき(相続時精算課税)
㉘ 相続時精算課税を選択した場合の「相続税の申告義務」と贈与時4つのポイント
㉙ 贈与者が贈与した年の中途に死亡した場合の「相続時精算課税の選択」
㉛ 精算課税を選択する場合の手続きのポイントと贈与税申告書に添付する書類
㉜ 贈与の年に贈与者が死亡した場合、贈与税申告と相続税申告の考え方
贈与税で誤りやすい事例
① 自宅の贈与を受け、その後離婚。特例の適用は受けられますか?
② 父親の土地に、子供の私が自宅を建てて住みます。問題はありますか?
④ 父親が借地している土地の底地を、息子の私が買い取りました。
毎年こどもや孫に110万円を贈与するときに、気をつけておきたいこと
⑦ 贈与契約書が必要です。
⑪ 贈与税の申告は必要ありませんが、トラブルを生じさせない取扱いとして。
⑫ 親名義の住宅を子の資金で増築等リフォームした場合~住宅ローン控除は使えませんか?
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成31年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日はテーマを決めずに書いています
免責
ブログ記事は、投稿時点での税法等に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。