受贈者が「相続時精算課税選択届出書」を提出する前に死亡した場合 ～ これならわかる相続税㊹

金曜日は「相続税をわかりやすく！」です。

贈与により財産を取得した者が、相続時精算課税の適用を受けることができる場合に、贈与税の申告期限前に「相続時精算課税選択届出書」を提出しないで死亡したときは

その贈与を受けた財産について相続時精算課税の適用を受けることができます

受贈者の相続人はその死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に「相続時精算課税選択届出書」を、死亡した者の納税地の所轄税務署に提出することができます。

つまり、その贈与を受けた財産について相続時精算課税の適用を受けることができます。

届出書には、次の書類を添付する必要があります

■受贈者の相続人の戸籍の謄本または抄本

■受贈者の戸籍の附票の写しその他の書類で、次の内容を証する書類

・受贈者の氏名、生年月日、死亡年月日

・受贈者が20歳に達した時以後死亡の日までの住所または居所

・受贈者が贈与者の直系卑属である推定相続人または孫であること

■贈与者の住民票の写しその他の書類で、次の内容を証する書類

・贈与者の氏名、生年月日

・贈与者が60歳に達した時以後の住所または居所

届出書を提出した相続人については

届出書を提出した相続人は、被相続人（死亡した受贈者）が有することとなる相続時精算課税の適用を受けることに伴う納税に係る権利または義務を承継します。

被相続人（死亡した受贈者）に相続人が2人以上いる場合

相続時精算課税選択届出書を提出しようとする相続人が2人以上いる場合、届出書の提出は、相続人全員が連署して行う必要があります。

相続人のうち1人でもその届出に同意しないときは、相続時精算課税の適用を受けることはできません。

まれなケースですが「相続時精算課税選択届出書」を提出することができないケースがあります

相続時精算課税適用者の相続人が特定贈与者（その贈与をした者）しかいない場合には、相続時精算課税適用者の有していた相続時精算課税の適用を受けていたことに伴う納税にかかる権利義務の承継者はいないことになります。

ようするに、相続時の精算課税は行われません。

 ＜参考＞相続時精算課税選択届出書は、次のような届出書です

＜参考＞「相続時精算課税」とは次のような制度です

（出所：国税庁パンフレット）

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する（ピーター Ｆ.ドラッカー）

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