海外事業者から商品の販売委託を受ける場合(委託販売手数料を売上高とする経理処理の場合:純額) ~ 消費税③
水曜日は消費税の記事を掲載します。
今回は
外国法人から国内にある内国法人が販売委託を受けているケースを考えます
契約の概要について
①タイに所在するT社が、香辛料について国内にあるJ社と委託販売契約を締結します。
②J社は、委託販売契約に基づき販売手数料収入を得ます。
委託販売の考え方
外国法人が委託販売を国内で行った場合、在庫の所有権は販売するまで委託者側にあることから譲渡をした者は、外国法人という取扱いになります。
一方、受託者側は役務の提供の対価として販売手数料を得ます。
消費税の取扱いの考え方
原則は純額主義という考え方をします(消基通10-1-12)
委託販売手数料を売上高とする経理処理です。
受託者の本来の業務とは何かと基礎に判断すれば、委託販売手数料を売上高とする経理処理が望ましいと考えられます。
■委託者側:T社
タイに所在するT社は、日本において消費税の申告義務が発生します。
納税管理人の選任を行い申告納税することになります。
なお、納税すべきか否かは消費税法に規定されている基準に従い、法人の資本金あるいは基準期間における課税売上高により判定します。
したがって、次のようなルールの適用を受けます。
①課税事業者に該当するか消費税法上に照らし判定を行います。
②課税事業者に該当した場合は、消費税課税事業者選択届出書を提出します。
③納税地については外国法人が選択した場所が納税地となります。
④納税管理人を選任し消費税納税管理人届出書を提出します。
■受託者側:J社
①対象となる物品(香辛料)を保税地域から引き取った際に輸入消費税が課されます。
②販売手数料は、国内における資産の譲渡等に該当します(輸出免税)。
③受託者側の考え方は次のとおりです。
ⅰ 国内J社が行う販売代行業務は、外国法人であるT社本社(非居住者)に対する役務の提供に該当します。
ⅱ 消費税法7条において、この非居住者に対する役務の提供は、次の取引を除き、輸出取引として消費税を免除するルールとなっています。
ア 国内に所在する資産に係る運送又は保管
イ 国内における飲食又は宿泊
ウ ア及びイ掲げるものに準ずるもの国内において直接便益を享受するもの
ⅲ 国内J社の販売代行業務は、ア~ウに該当しません。従って、J社が受取る販売手数料は輸出免税の取扱いを受け、消費税は0%課税となります。
この委託販売で、J社が仕入販売とする場合(総額主義を採用)は、消費税の考え方は変わります。
このケースは、かなり考えて結論を出しましたが、いかがでしょうか。
[22/11/28訂正]
記事中、取消線を引いた箇所を訂正いたしました。
ご迷惑をおかけしました。
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消費税
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