「相続により取得した空き家の譲渡所得」の特例適用チェックポイント ~ 空き家売却の3,000万円特別控除⑧
この特例は
相続により被相続人の居住用財産を取得した方が、一定の要件を満たす被相続人の居住用財産を譲渡した場合に、譲渡所得の計算上3,000万円までの特別控除額を控除することができる特例です。
さまざまなケースが考えられます。よくあるケースとして
相続した被相続人の建物を取り壊して平成31年に売却した場合のチェックポイント
を検討します
その場合に、特別控除を受ける際の特例適用チェック表は次のとおりとなります。
すべてに該当する場合には、特例適用OKです。YES、NOで答えてください。
①被相続人はいつ亡くなりましたか
譲渡した土地は相続により取得したもので、相続開始の日は、平成28年1月2日以後ですか?
→ YES
②取得したのは家屋と土地ですか
相続により被相続人が居住の用に供していた家屋およびその土地の両方を取得していますか?
→ YES
③取り壊した家屋はいつ建築されましたか
昭和 56 年5月 31 日以前に建築されたものですか?
→ YES
④家屋はマンションですか
→ NO
⑤一人で被相続人は暮らしていましたか
相続開始の直前において、被相続人以外に居住した方はいますか?
→ NO
⑥売却先は
配偶者、直系血族、生計を一にする親族などへの譲渡ですか?
→ NO
⑦売却価額は
譲渡した資産の対価の額は、1億円以下ですか?
→ YES
⑧取り壊した家屋は
取壊しをした家屋は、相続の時から取壊しの時まで事業の用、貸付けの用または居住の用に供していましたか?
→ NO
⑨譲渡した土地は
■相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用または居住の用に供していましたか?
→ NO
■家屋の取壊しの時から譲渡の時まで建物または構築物の敷地の用に供していましたか?
→ NO
⑩他の特例の適用は
この譲渡について、相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(措法39)※の適用を受けますか。
→ NO
※ 相続により財産を取得したものが相続税の対象となった土地等を相続税の申告期限から3年以内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定額が当該譲渡資産の譲渡益の範囲内で取得費として加算することができるという特例のことです。
以前は、老人ホームに入居するなどで空き家になっていた場合は,適用不可でした
平成31年度の改正により
老人ホームに入所したことにより、被相続人の居住の用に供されなくなった家屋およびその敷地等は,一定の要件を満たす場合には、特例が適用されることになりました。
このケースについては、今回のチェック表には含めておりません。
詳細が分かればチェック表を作成します。
Every day is a new day!
今日も春の1日を元気にお過ごしください。
【編集後記】
日曜日の「贈与税についてわかりやすく!」はお休みしました。
贈与税や将来の相続の問題のご相談をお伺いしております。
問題をお伺いしたうえで、税務の専門家として、丁寧にアドバイスさせていただきます。
相続した空き家売却3000万円の特別控除の特例
② 更地にして売る場合は、譲渡の時までに家屋を壊していることが必要です
③ 売却価額は分割して何度かに分けて売却してもトータルで1億円判定します
住宅取得等資金の贈与税の非課税 誤りやすい事例
① 資金の贈与を受けたが、翌年の3月15日までに家に住めない
④ 住宅ローン控除と併用可能ですが、贈与部分は適用できません
⑧ 父親からもらったお金で土地を妻が購入後、夫が自己資金で家屋を新築
⑨ 父親と祖母からそれぞれ1,500万円ずつ贈与を受けました
贈与税をわかりやすく
① 贈与税がかかる場合~親子間、夫婦間でも贈与税はかかります。
③ 贈与する前にいったいどれくらいの贈与税がかかるのか知っておく必要があります。
④ 相続時精算課税は相続税のかからない親の場合にはベストな贈与です。
⑤ 共働きの夫婦が住宅購入した場合、購入資金の負担割合で所有権登記をして下さい。
⑥ 離婚して財産をもらったとき、贈与税がかかる場合があります。
⑧ 贈与税がかかる生命保険金、もらったつもりがないのにかかる贈与税。
⑨ 親族間で低額で土地を譲り受けたとき、贈与税がかかります。
⑪ 借金付きの贈与は、やってはいけないし、もらってもいけません。
⑫ 贈与税の申告と納付はどうやるの?払うのは誰?いつ払うの?
⑬ 親の土地に子どもが家を建てたときに知っておきたい税金のこと
⑮ 親の借地に子どもが家を建てたときに知っておきたい税金のこと
⑯ 父親名義の建物に子どもが増築したとき、贈与税が課税されます
⑰ 親名義の建物に子どもが増築したとき、増築前の家屋の名義を子どもに変更する
⑳ 相続時精算課税は、贈与財産の種類・金額・贈与回数を問いません
㉓ 相続時精算課税の特例。住宅取得等資金の贈与の非課税と併せて適用可能
㉔ 相続時精算課税と住宅取得等資金の贈与の特例の両方活用時の3つのポイント
㉕ 住宅取得等資金とそれ以外の財産を同一年中に贈与されたとき(相続時精算課税)
㉖ 住宅取得等資金で取得した家屋に居住できないとき(相続時精算課税)
㉘ 相続時精算課税を選択した場合の「相続税の申告義務」と贈与時4つのポイント
㉙ 贈与者が贈与した年の中途に死亡した場合の「相続時精算課税の選択」
㉛ 精算課税を選択する場合の手続きのポイントと贈与税申告書に添付する書類
㉜ 贈与の年に贈与者が死亡した場合、贈与税申告と相続税申告の考え方
贈与税で誤りやすい事例
① 自宅の贈与を受け、その後離婚。特例の適用は受けられますか?
② 父親の土地に、子供の私が自宅を建てて住みます。問題はありますか?
④ 父親が借地している土地の底地を、息子の私が買い取りました。
毎年こどもや孫に110万円を贈与するときに、気をつけておきたいこと
⑦ 贈与契約書が必要です。
⑪ 贈与税の申告は必要ありませんが、トラブルを生じさせない取扱いとして。
⑫ 親名義の住宅を子の資金で増築等リフォームした場合~住宅ローン控除は使えませんか?
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」
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