2017.04.16.Sun | こう考えています
「へたも絵のうち~熊谷守一(くまがいもりかず)」~「蟻」や「白猫」「ヤキバノカエリ」抽象画風の具象画
法人税や相続税など税法以外の話をしたいと思います。
数十年前に京都国立近代美術館のミュージアムショップで、ポストカードを探していたときに出会いました。偶然に
それは「岩殿山」という絵のポストカード。
(実物の絵は見たことがありません。)
びっくりしましたね。山の絵ですが、山の絵ではない。美しい絵画です。
今まで観たことがなかった絵でしたね。
それは、熊谷守一(くまがいもりかず1880~1977年)という画家の作品でした
美術館の解説では、熊谷守一は
「対象を也面で大きく捉え、それを強い輪郭線でくくるという独自の様式を確立した。晩年にいたってもその独自性を伸張し、抽象画と見まがうような『直感の次元で単純化された具象画』を残した」とあります。
先日、豊島区立の熊谷守一美術館を訪ねました
彼には5人の子供さんがおり、そのうち3人の子供さんを病気で亡くされている。
そのうち、戦後は結核を患って長女・萬(まん)を21歳で亡くされている。
その際に、野辺の送りの帰りを描いた作品(「ヤキバノカエリ」(岐阜県美術館所蔵)、仏壇に当時は高価であったタマゴをお供えした様子(「仏前」個人蔵)の作品などが印象的でした。
特に「仏前」という作品は切なかったです。卵の絵です。
一方、猫や蟻の絵は楽しくて、美しい。画家が楽しみながら作品を描いているように感じました
「晩年は狭い庭にこもって、やってくる虫たちや猫や鳥を描く。花も花瓶にさしたものよりも地面に生えた草花が多い。」とあります。
「蟻は左足の前から2番目の足から動かす」と彼が言っていたと聞いたことがあります(間違っているかも知れません)。それほど集中していたのでしょうね。
絵が売れるようになったのは、60歳過ぎてからだそうです。その後、85歳で文化勲章を辞退しています。享年は97歳。
御影にある香雪美術館で「没後40年熊谷守一 お前百までわしゃいつまでも」(2017年3月11日~5月7日)の企画展を開催しています。
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