2025年に向けた介護人材の確保(離職者の7割が入職後3年以内の者)~介護人材確保の具体的な方策①
社会保障審議会に福祉部会福祉人材確保専門委員会という委員会があります。
同委員会では、福祉人材や介護人材に対する資格や役割やカリキュラム、人材確保などについて検討・議論・取りまとめをしています。
最近では、「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて」などの報告書を取りまとめています。
平成27年2月に
「2025年に向けた介護人材確保の具体的な方策について」
という資料で、委員会は介護分野における総合的な人材確保方策を取りまとめています。
この取りまとめを踏まえて、「介護人材確保の具体的方策(以下「介護人材の確保」という)」とはどういうものかを考えていきたいと思います。
というのは、火曜日のブログでは「平成31年度の介護報酬改定」のうち、介護人材の処遇改善の新加算を紹介してきました。
人手不足に対応して、ここでいう「処遇加算」とは賃金を上げるという方策です。
しかし、賃金を上げる以上に、賃金以外の労働環境や処遇改善はさらに重要だと考えます。
こうした理解から、給料以外の労働環境や処遇の改善についての課題を紹介していきます。
「介護人材の確保」では介護業界での労働環境の課題について、次の3つを指摘しています
①新規入職者の離職率が高い
介護分野の離職者の約7割は、入職後3年以内の者です。そのため早期離職防止対策を図ることが重要な課題です。
②特徴的な離職理由があります
介護人材の主たる離職事由については次のとおりです。こうした離職事由に応じた雇用管理の改善を進める必要があります
ⅰ「結婚・出産・育児」
ⅱ「労働環境、雇用管理の在り方」
ⅲ「将来の見通しが立たない」
ⅳ「心身の不調、腰痛等」
③非常勤の従事者が多い
非常勤労働者が多い業界であり、正規職員と非正規職員の均等・均衡処遇を図る必要があります。
こうしてみると課題は介護業界に限らないようにも思えます。
しかし、上記の②のⅲ「将来の見通しが立たない」、ⅳ「心身の不調、腰痛等」は、介護業界に特徴的な課題です。
その中で「将来の見通しが立たない」というのは大きな問題だと思います。
将来の見通しを持って働き続けるためのキャリアパスの整備という対応が必要になるわけです。
具体的には「介護人材の確保」では
将来の見通しを持って働き続けるためのキャリアパスについて
「一定の経験を積んだ者が、バーンアウトせず、それぞれのキャリア設計に応じた更なる資質向上の機会を得られるよう、チームケアのリーダーとしての役割を担うために必要なマネジメント能力向上のための研修、医療的ケア(喀痰吸引等)や認知症ケアなどに対応できる能力や多職種協働に必要となる能力の向上のための研修、働きながら介護福祉士を志す職員に対する実務者研修などの受講支援」
が必要としています。
委員会が考える「2025年に向けた介護人材・介護業界の構造転換」のイメージ
(出所:福祉人材確保専門委員会資料)
Every day is a new day!
春の1日を元気でお過ごしください。
【編集後記】
トップの画像は、Mさん宅の「ハナ」ちゃんです。16歳。お元気です。
なかなか正面を向いてくれず。
私を嫌っているわけ?ではないと思っています。
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火曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。
ブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kaigo/
平成31年度の介護報酬改定(2019年10月実施)
② 高額対応投資
⑪ 新処遇改善加算の「10年以上8万円」と「事務所内での配分」の議論
⑬ 介護給付費分会での「新しい処遇改善加算の取得要件」についての意見
平成30年度
「有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護」の介護報酬改定は次のとおりです。
① 「新しい住宅セーフティネット法」が10月25日から施行されています
④ 有料老人ホームなど基本報酬の引上げを抑え、医療連携に新加算
⑩ ショートステイ特定施設入居者生活介護の利用者数の上限見直し
⑫ スプリンクラー設置義務の経過措置は平成30年3月31日に終了
「通所介護」の重要事項は次のとおり。
⑤ 「栄養改善加算」外部との連携で管理栄養士を配置した場合にも算定可能
⑥ 共生型生活介護など介護と障害福祉の両方で共生型サービスが始まっています。
⑧ 障害福祉サービス事業所が要介護者にサービスを提供する場合
「認知症対応型共同生活介護」重要事項は次のとおり
「介護老人保健施設」重要事項は次のとおり
① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入。
② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し
③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収
「訪問看護」重要事項は次のとおり
① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減。
② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し
③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します
④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟
「居宅介護支援」重要事項は次のとおり
② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し
③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し
⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ
⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し
「訪問介護サービス」重要事項は次のとおり
⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付け。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」
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