保険契約は出口を考える。解約時に保険金収入を退職金で打ち消す ~ 知っておきたい法人節税策の基礎知識⑰
木曜日は、法人の節税策をわかりやすく紹介しています。
保険の出口というのは、保険金が支払われた際に、いかに経費をぶつけるかということです
保険料は積立時には経費となります。しかし、保険金を受け取ったときは収益として計上します。こうなると、課税の繰り延べの効果しかありません。
出口戦略とは、保険金の受け取り時に、保険金額と同じ金額の経費を計上することにより、その事業年度の税負担を軽減するものです。
保険商品は「逓増定期保険」を検討します
退職予定時期に返戻金のピークがくる商品を選択します。
たとえば、保険料:500万円/年、1/2損金、5年後の返戻率100%、法人税率20%
前提はわかり易くするため簡単にしています。
次のようなスキームです。
①毎年の保険料支払時(5年間)
500万円×1/2=250万円 → 損金計上
250万×20% = 50万円の節税効果
②保険金の受け取り時
500万円×5年×1/2=1,250万円→収益計上
1,250万円×20%=250万円の法人税負担↑
②の保険金の受け取り時に、1,250万円の退職金を支払います。保険金の受取金額と退職金が相殺され、250万円の法人税負担をすることなく、保険金を受け取ることができます、
保険料を損金(経費)にすることで、退職金の積立額を経費していることになります。
これをイメージにすると次の図ようになります。
注意点は、1250万円の退職金のために、2,500万円のキャッシュが必要になる点です。通常よりキャッシュアウトが増大しますので、資金繰りを検討する必要があります。
さらに、大切なことは退職時期と退職金額を慎重に検討し、事前に計画(出口)をデザインすることがポイントになります。
また退職金のメリットは次の記事を参考してください。
▶ 退職金が節税につながる三つのメリット。税制上大変優遇されています
Every day is a new day.
冬の1日を元気にお過ごしください!
創業者には、事業を着実に成長させるために、決算書の会計データを計器盤として利用することをおすすめしています。次のようなサービスを提供しております。
▶ 創業起業サポート 「創業者応援クラウド会計サービス」と「顧問相談クラウドサービス」
また、毎月お伺いして、会計処理や税務の相談や提案などさせていただくサポートサービスを提供しております。
木曜日は「知っておきたい法人節税策の基礎知識」を載せています
・飲食費のうち、会議費・交際費・福利厚生費として認められるもの
・退職金が節税につながる三つのメリット。税制上大変優遇されています
・消費税、持ち帰り(テイクアウト)と店内飲食の税込価格を一律にする方法
・貸倒引当金~一定の要件をみたせば債権の50%を経費計上できます
同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。
http://www.y-itax.com/category/houjin/
あてはまる事例を参考にしてくださいね。
土地貸借の税務ルール
・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)
・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)
・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)
・「権利金に代えて、相当の地代に満たない地代を支払うケース」はこちら(2/21)
・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)
土地売買の税務ルール
・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)
・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)
・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)
・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)
・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)
・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)
建物貸借の税務ルール
・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)
・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)
・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)
・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)
金銭貸借の税務ルール
・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)
・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)
・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)
・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)
・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説」
・木曜日は「知っておきたい法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」
免責
ブログ記事は、投稿時点での税法等に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。