消費税10%対応の考え方④「介護報酬への上乗せ」 ~ 平成31年度の介護報酬改定(2019年10月実施)④
来年の10月1日から消費税税率10%への引き上げに伴い、介護報酬の改定の検討が進んでいます。明日、12/12に第166回社会保障審議会介護給付費分科会が開催されます。
消費税対応については、①介護報酬への上乗せ、②食費・居住費の基準費用額・補足給付③区分支給限度基準額の3つが論点になっています。
そのうち、最重要な論点である「①介護報酬への上乗せ」についての基本的な考え方は次のとおりです。
「介護報酬への上乗せ対応」は、消費税率8%への引き上げ時における対応が参考になります
その際の対応の考え方をご紹介します。
上乗せの基本的な考え方について
「介護報酬全体として見た場合に、基本単位数のみならず、加算分への影響分も含め適切に手当されることが必要であるとの考え方から、基本単位数への上乗せを基本としつつ、消費税負担が相当程度見込まれる加算があれば、それらにも上乗せを実施」します。
上乗せの基本的な考え方の4つのポイント
①基本単位数への上乗せ
基本単位数への上乗せ率については、人件費、その他の非課税品目を除いた課税割合を算出し、これに税率引上げ分を乗ずることにより基本単位上乗せ率を算出します。
「基本単位上乗せ率」算出の考え方は次のとおりです。
ⅰ平成25年度介護事業経営概況調査の結果数値等を用いて、費用構造を推計します。
ⅱ費用を消費税の非課税費用と課税費用に区分します。サービスごとにその割合を算出します。
■消費税非課税の費用 → ①給与費等非課税費用
■消費税課税の費用 → ②委託費等課税費用および③減価償却費
ⅲ介護サービス全体の課税割合×消費税の引き上げ割合=改定率(「基本単位上乗せ率」)
前回は、0.63%
平成26年度介護報酬改定における改定率
22.1%(介護サービス全体の課税割合)×(108/105-1) = 0.63%
(出所:介護給付費分科会資料)
②基本単位数の割合で設定されている加算の取扱い
基本単位数の割合で設定されている加算については、基本単位数への上乗せで手当されること、福祉用具貸与に係る加算については、交通費相当額と設定されていることから、これらの加算については、上乗せ対応を行いません。
③基本単位数の割合で設定されていない加算の取扱い
■基本単位数の割合で設定されていない加算のうち、課税費用の割合が大きいと考えられるものについては、基本単位数への上乗せ率と同様に課税費用に係る上乗せ対応を行います。
■一方、課税費用の割合が小さいものや、もとの単位数の設定が小さく、上乗せ分が1単位に満たないものなど、個別に上乗せ分を算出して対応することが困難なものについては、基本単位数への上乗せに際し、これらの加算に係る消費税相当分も含めて上乗せ対応を行います。
消費税10%対応の介護報酬引き上げの考え方の議論に注目しています。
冬の1日を元気でお過ごしください。
Every day is a new day!
高齢化に伴う日本の社会的課題に対して、会計・税務専門職としての役割を果たしたいと考えております。
創業者には、事業を着実に成長させるために次のようなサービスを提供しています。
介護事業を成長させていきたいと考えている方の支援を致しております。
▶ 創業起業サポート 「創業者応援クラウド会計サービス」と「顧問相談クラウドサービス」
火曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。
ブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kaigo/
平成31年度の介護報酬改定(2019年10月実施)
② 高額対応投資
平成30年度
「有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護」の介護報酬改定は次のとおりです。
① 「新しい住宅セーフティネット法」が10月25日から施行されています
④ 有料老人ホームなど基本報酬の引上げを抑え、医療連携に新加算
⑩ ショートステイ特定施設入居者生活介護の利用者数の上限見直し
⑫ スプリンクラー設置義務の経過措置は平成30年3月31日に終了
「通所介護」の重要事項は次のとおり。
⑤ 「栄養改善加算」外部との連携で管理栄養士を配置した場合にも算定可能
⑥ 共生型生活介護など介護と障害福祉の両方で共生型サービスが始まっています。
⑧ 障害福祉サービス事業所が要介護者にサービスを提供する場合
「認知症対応型共同生活介護」重要事項は次のとおり
「介護老人保健施設」重要事項は次のとおり
① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入。
② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し
③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収
「訪問看護」重要事項は次のとおり
① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減。
② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し
③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します
④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟
「居宅介護支援」重要事項は次のとおり
② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し
③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し
⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ
⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し
「訪問介護サービス」重要事項は次のとおり
⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付け。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。