実態バランスシートで経営を把握します ~ 経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方㊱
経営者は「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことをおすすめします。
貸借対照表(BS:ビーエス)。ビーエスは「Balance Sheet」を省略して呼んでいます。「バランス(Balance)」とは、預金や負債の「残高」のことで、バランスシートとは残高一覧表のことです。
帳簿から作成しますので、帳簿価額(いわゆる簿価)で貸借対照表はバランスしています。
(出所:中小企業庁リーフレット)
これとは別にビーエスを「実態バランスシート」として作成することがあります
資産と負債を原則として時価で評価して、実態に近いバランスシートを作成することで、より財務状況が明確になります。
言い換えますと、適正な帳簿価額で評価し直すということです。
したがって、実態バランスシートからは、純資産は実態に近い「実質純資産額」を導出することができます。
たとえば、実態バランスシートは次のように作成します。
資産については、時価で評価し評価減を算出します
たとえば次のとおり
売掛金の評価減 ▲3百万円
棚卸資産の評価減 ▲3百万円
減価償却不足 ▲2百万円
資産の除却もれ ▲2百万円
土地の含み損 ▲2百万円
漏れている負債を計上するケースがあります
たとえば次のとおり
未払金の追加計上 ▲1百万円
未払費用の追加計上▲1百万円
売掛金や土地など中身がともなっていない資産を引き算で修正し、負債についてもれているものを足し算で修正します。
そうすると、「資産↓-負債↑= 純資産 ↓」となりますので、純資産が減少します。
この例でいいますと、合計14百万円を減少させることになります。
もし、会社の純資産が10百万円であれば4百万円の債務超過となります。
決算書の純資産がプラスでも、実態バランスシートで債務超過になることを実質債務超過といいます。
日頃からこういう意識で考えて、実質債務超過であれば、どう解消していくか、つまり利益をどう稼ぐかに努力していく必要があります。
Every day is a new day!
秋の1日を元気にお過ごしください。
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経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方
③ 売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう。
④ 売上総利益は率をチェックしましょう。大切なことが分かります。
⑤ 会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意。
⑨ 本来の事業でどれだけ稼げているか?がわかるのが営業利益。
⑫ PLの中の5つの利益のうち、4つめの利益が税引前当期純利益
⑬ 5つめの利益が当期純利益。会社が1年間で得た最終的な利益です。
⑭ 貸借対照表の見方~お金の動かしやすいものから、上から順にならびます。
⑲ 販管費のうちの人件費。ポイントになるのは「役員報酬」です
㉒ 開業費などの繰延資産の考え方。繰延費用と考える方がわかりやすい。
㉓ 売掛金の回収サイトのチェックポイント。介護事業の回転月数は約2.5月。
㉕ 在庫の過大計上は資産が増えるわけですから「利益」が増えます。
㉜ 創業者の9割は決算書を見ていない。「はじめての決算書」6つのチェックポイント
土曜日は「会計」を紹介しています。
ブログ記事はhttp://www.y-itax.com/category/keiri/
会計超理解ハンドブック(No1~No17)
② 財務三表とは?
⑨ 減価償却費って何ですか?
⑪ 決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイントは純資産です。
⑬ C/F計算書のチェックポイントは「営業キャッシュフロー」です。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識【創業者向け】」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」
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