井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.10.30.Tue | 介護事業

ショートステイ特定施設入居者生活介護の利用者数の上限見直し ~ 平成30年度介護報酬改定 特定施設入居者生活介護⑩

 

介護報酬改定の重要な改定事項を、カテゴリー別にご紹介しています。

今回は有料老人ホームなどの「特定施設入居者生活介護」(以下「特定施設」)です。

 

見直しにより、入居定員10人未満の特定施設のショートステイが可能になります

 

改定の概要は次のとおりです

 

改定前は、短期利用(以下「ショートステイ」)特定施設入居者生活介護の利用者は当該特定施設の入居定員の10%以下とされていました。入居定員が10人に満たない事業所では、利用者を受け入れられない状況となっていました。

そこで、改定によりショートステイ特定施設入居者生活介護の利用者数の上限を見直しました。

 

改定後は

 

ショートステイ特定施設入居者生活介護の利用者数の上限を、

「定員の10%まで」 → 「1(人)または定員の10%まで」

と変更します。

したがって、入居定員10人未満の特定施設でも最低1人の短期利用が可能になります。

 

改定前は「ショートステイの利用者を特定施設の定員の10%以内とする基準」が課題でした

 

■平成24年度介護報酬改定において、特定施設入居者生活介護におけるショートステイ利用が可能となり、その算定に当たって、特定施設入居者生活介護としての性質を保持するために、利用者が特定施設の定員の10%以内とするよう基準が設けられていました。

■「有効なサービス利用を図るため、この基準をどのように考えるか?」が課題でした。

 

次のような議論がありました

 

■内閣府の規制改革会議から、この利用者数の上限の基準の在り方について検討を行い結論を得るようとの指摘がありました。

■利用者数の上限の見直しについては、空室利用やレスパイトケアの観点からメリットがある一方で、入居者の生活への影響や本来利用者の入居への影響などデメリットも考えられました。

■入居定員が10人に満たない事業所においては、入居定員の10%が1人に満たないことから、ショートステイ特定施設入居者生活介護の利用者を受け入れられない状況となっていました。

■このため、入居定員が10人未満の事業所における短期利用の受け入れを可能とする観点から、受け入れ人数の上限の基準を見直してはどうかとの意見がありました。

 

現状をみて見ると

 

入居定員が比較的少ない特定施設(70人未満程度)においては、短期利用の受け入れ上限(入居定員の1割)まで短期利用の入居者を受け入れたことがありますが、他方10人未満の事業所においては、入居定員の1割が1人に満たないため、短期利用が利用できない状況にありました。

 

 

見直しのメリットとデメリットに意見がありました

 

 

最終的に、短期利用の上限まで受け入れたことのある事業者のうち、基準の緩和を希望するのは3分の1程度あり、また10人未満の事業所も短期利用が可能となるようなる考え方を基本に改定後の基準となりました。

 

 

(出所:「厚生労働省介護給付費分科会資料」)

 

認知症対応型共同生活介護においても、ショートステイについて要件が緩和されています。

緊急ショートステイの見直し

 

基準の改定後、ショートステイの利用がどう進むかを注視したいと思います。

 

 

秋の1日を元気でお過ごしください。

Every day is a new day!

 

 

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火曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。

ブログ記事は

http://www.y-itax.com/category/kaigo/

 

平成30年度

「有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護」の介護報酬改定は次のとおりです。

① 「新しい住宅セーフティネット法」が10月25日から施行されています

② そもそも特定施設入居者生活介護とは 

③ 吹田市のサービス見込量の推計について

④ 有料老人ホームなど基本報酬の引上げを抑え、医療連携に新加算

⑤ 「身体拘束廃止未実施減算」への対応

⑥ 身体拘束廃止未実施減算とは

⑦ 生活機能向上連携加算の創設

 若年性認知症入居者受入加算の創設

 口腔ケアによるQOL改善と栄養状態の管理を評価

 

「通所介護」の重要事項は次のとおり。

① ADL(日常生活動作)維持等加算の算定ポイント

 基本報酬のサービス提供時間区分の1時間ごとの見直し

③ 生活機能向上連携加算の創設のポイントと影響

 栄養スクリーニング加算創設のポイント

⑤ 「栄養改善加算」外部との連携で管理栄養士を配置した場合にも算定可能

 共生型生活介護など介護と障害福祉の両方で共生型サービスが始まっています

 通所介護の共生型サービス提供の考え方

⑧ 障害福祉サービス事業所が要介護者にサービスを提供する場合

 

「認知症対応型共同生活介護」重要事項は次のとおり

① 認知症対応型共同生活介護と医療連携体制加算の区分新設

② 退院後の再入居受け入れの評価の新設

③ 緊急ショートステイの見直し

④ 口腔衛生管理体制加算の創設

⑤ 栄養スクリーニング加算の創設

⑥ 生活機能向上連携加算のポイント

⑦ 介護職員処遇改善加算の見直しポイント

 

「介護老人保健施設」重要事項は次のとおり

① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入

② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し

③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収

④ かかりつけ医連携薬剤調整加算の新設

⑤ 所定疾患施設療養費Ⅱの新設

 

「訪問看護」重要事項は次のとおり

① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減

② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し

③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します

④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟

 

「居宅介護支援」重要事項は次のとおり

① 居宅介護支援は、見直されて基本報酬は約1%引き上げ

② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し

③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し

④ ターミナルケアマネジメント加算の新設

⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ

⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し

 

「訪問介護サービス」重要事項は次のとおり

① 基本報酬の見直しは

 見守り的援助は身体介護に該当することを明確化

 新たに生活援助従事者研修課程が創設されました。

④ 生活機能向上連携加算に下位ランクの加算Ⅰを新設

⑤ 集合住宅減算はすべての建物が対象となります

⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付け。

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計

・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説

・木曜日は「法人節税策の基礎知識【創業者向け】

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

免責

ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

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