「新事業承継税制」特例のポイント解説㉙~ 雇用確保要件を維持できなかったとしても納税猶予が継続できます
水曜日は「新事業承継税制」をわかりやすく紹介しています。
適用後の継続要件は、「特例経営承継期間」および「猶予期間中(ずっと)」に「継続要件」がありました。
特例経営承継期間(相続税申告から5年間)の継続要件の中で
「贈与日(相続開始日)の従業員数の80%以上を5年間平均で維持すること」
というものが「雇用確保要件」です
今回の特例制度において、雇用確保要件を維持できなかったとしても、納税猶予が継続されます。しかし、雇用確保要件を満たせない理由を記載した書類を都道府県に提出する必要があります。
くわえて、この書類には、認定経営革新等支援機関の意見が記載されていることが必要です。
雇用確保要件とは
5年間の特例経営承継期間(贈与税または相続税の申告期限から5年間)において、その贈与等の日における従業員数(常時使用する従業員数)の8割を5年間平均で維持するこという要件のことです。
「雇用確保要件」の適用フローは、次の3つになります
①雇用確保要件を満たしているケースは
→ 納税猶予が継続されます
②雇用確保要件を満たせないケースの場合は
→ 要件が満たせない理由について、認定支援機関の所見が記載されている書類(様式第27)を提出する必要があります。
③雇用確保要件を満たせないケースで、「経営悪化」などを理由する場合は
→ 上記の②と同じく書類(様式第27)を提出します。
ただし、認定支援機関からの「指導及び助言の内容」を記載した別紙を提出することになります。
「様式第27」とは次のようなものです。
「別紙」とは次の書類です。
雇用確保要件が満たせなくなった場合は、報告書を都道府県に提出する必要があるわけです。この報告書の内容に不備がありますと、都道府県から確認書が交付されません。
そうなると、確認書を税務署に提出できないわけですから、報告不備として納税猶予が打ち切りになります。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
秋の1日を元気にお過ごしください。
認定経営革新等支援機関として、特例承継計画の申請等を助言・支援いたしております。
事業承継や相続に関して相談サービスを提供しています。
「新事業承継税制」特例のポイント解説
③ 非上場株式等の贈与税等の納税猶予及び免除~新旧制度の比較
⑤ 非上場株式等の贈与税の納税猶予を受けるための手続(その2)~贈与税申告の後
⑧ 新事業承継税制は中小企業の株式を贈与相続により移転する際に活用します。
⑨ 新事業承継税制の利用により、いくら相続税が猶予・免税になるのか?
⑩ 贈与税の納税猶予からはじめた場合の「新事業承継税制の全体像イメージ」
⑪ 贈与税の納税猶予からスタートした場合に先代経営者に相続が発生した時の取扱い
⑰ 代表権がない先代経営者の配偶者が適用を受けられないケース
⑱ 先代経営者が持株会社の代表権を有したことがなかったケース
㉕ 子会社が上場企業や風俗営業会社等の場合は適用を受けられません
㉘ 猶予が打ち切りとなった場合、猶予額に併せて利子税を納付しなければなりません
事業承継・税理士の視点
④ 「誰に事業を承継させるのか?」~親族内承継、従業員承継、M&A
「同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。
http://www.y-itax.com/category/houjin/
あてはまる事例を参考にしてくださいね。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制」特例のポイント解説
・木曜日は「法人節税策の基礎知識【創業者向け】」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。