井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.10.02.Tue | 介護事業

「身体拘束廃止未実施減算」拘束を行っていない施設でも基準を満たさなければ減算になります。~平成30年度介護報酬改定 特定施設入居者生活介護⑥

 

介護報酬改定の重要な改定事項を、カテゴリー別にご紹介しています。

今回は「特定施設入居者生活介護」(以下「特定施設」)です。

 

介護付き有料老人ホーム(特定施設)などが新たにこの減算の対象になっています

 

基準と減算幅が大きく変更されています。

注意すべきは、身体拘束を行っている入所者がいない場合でも、基準を満たさなければ減算になる点です。

 

改定前の「身体拘束廃止未実施減算」

 

■減算単位

基準を満たさない場合は、1日につき5単位を所定単位数から減算します。

 

満たすべき基準

身体拘束等を行う場合の記録を行っていない場合に、入所者全員について所定単位数から減算します

 

対象となるサービス

○介護老人福祉施設

○介護老人保健施設

○介護療養型医療施設

○地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

 

改定後の「身体拘束廃止未実施減算」

 

■減算単位

基準を満たさない場合は、入所者全員について基本報酬の10%を減算

 

■満たすべき基準

①身体的拘束等の適正化のための指針を作成すること

②身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催すること

③介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること(年2回)

④身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況ならびに緊急やむを得ない理由を記録すること

 

■対象となるサービス

改正前のサービスに追加して、次のサービスも対象

〇特定施設入居者生活介護

〇介護医療院

〇認知症対応型共同生活介護

〇地域密着型特定施設入居者生活介護

 

基準の改定に当たって気をつけるべきポイントは次のとおりです

「身体的拘束の有無」にかかわらず基準のすべてを満たすことが必要になります。特に次のようなもれがないように注意です。

 

■指針の作成(指針に盛り込むべき内容が示されており、定型のひな形があります)

■委員会(身体拘束禁止委員会)の議事録の作成

■新規採用時には必ず身体的拘束等の適正化の研修を実施することが必要です。

 

指針、委員会の開催、研修(新規採用時を含む)、記録などかなり詳細に決まっています。基準に対応するよう取り組まれているとは思いますが、もれがないようチェックをおすすめします。

 

この「身体拘束廃止未実施減算」は、次の「Ⅱ自立支援・重度防止に資する質の高い介護サービスの実現」の中でも、重要な取り組みとなっています。

 

(出所:介護給付費分科会資料)

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Every day is a new day!

秋の1日を元気にお過ごしください。

 

火曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。

ブログ記事は

http://www.y-itax.com/category/kaigo/

 

平成30年度

「有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護」の介護報酬改定は次のとおりです。

① 「新しい住宅セーフティネット法」が10月25日から施行されています

② そもそも特定施設入居者生活介護とは 

③ 吹田市のサービス見込量の推計について

④ 有料老人ホームなど基本報酬の引上げを抑え、医療連携に新加算

⑤ 「身体拘束廃止未実施減算」への対応

 

「通所介護」の重要事項は次のとおり。

① ADL(日常生活動作)維持等加算の算定ポイント

 基本報酬のサービス提供時間区分の1時間ごとの見直し

③ 生活機能向上連携加算の創設のポイントと影響

 栄養スクリーニング加算創設のポイント

⑤ 「栄養改善加算」外部との連携で管理栄養士を配置した場合にも算定可能

 共生型生活介護など介護と障害福祉の両方で共生型サービスが始まっています

 通所介護の共生型サービス提供の考え方

⑧ 障害福祉サービス事業所が要介護者にサービスを提供する場合

 

「認知症対応型共同生活介護」重要事項は次のとおり

① 認知症対応型共同生活介護と医療連携体制加算の区分新設

② 退院後の再入居受け入れの評価の新設

③ 緊急ショートステイの見直し

④ 口腔衛生管理体制加算の創設

⑤ 栄養スクリーニング加算の創設

⑥ 生活機能向上連携加算のポイント

⑦ 介護職員処遇改善加算の見直しポイント

 

「介護老人保健施設」重要事項は次のとおり

① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入

② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し

③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収

④ かかりけ医連携薬剤調整加算の新設

⑤ 所定疾患施設療養費Ⅱの新設

 

「訪問看護」重要事項は次のとおり

① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減

② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し

③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します

④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟

 

「居宅介護支援」重要事項は次のとおり

① 居宅介護支援は、見直されて基本報酬は約1%引き上げ

② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し

③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し

④ ターミナルケアマネジメント加算の新設

⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ

⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し

 

「訪問介護サービス」重要事項は次のとおり

① 基本報酬の見直しは

 見守り的援助は身体介護に該当することを明確化

 新たに生活援助従事者研修課程が創設されました。

④ 生活機能向上連携加算に下位ランクの加算Ⅰを新設

⑤ 集合住宅減算はすべての建物が対象となります

⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付け。

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」

・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「新事業承継税制」の特例のポイント解説

・木曜日は「知っておきたい法人節税策の基礎知識【創業者向け】

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

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