債務の計上はもれてしまいます。計上もれを防ぐための4つの方法~経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方㉗
土曜日は、経営者の方が自社の決算書の数字を理解して、経営に活かせる“会計”の考え方を解説しています
貸借対照表は5つの箱で理解しました。今回は「流動負債」です。
「流動負債」とは1年以内に返済や支払期限をむかえる負債のことです。買掛金などが入ります。流動負債が流動資産より著しく多い場合は、返済に危険性があるといえました。
買掛金・未払金などの「流動負債」について
買掛金
商品や原材料など仕入れなど、仕入先との取引により生じる債務です。つまり、買掛金は営業上の仕入資金の支払いを待ってもらっているものです。
資産の部の売掛金の反対の科目です。
未払金
固定資産や消耗品など、後払いで購入したものの債務です。
未払費用
一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対して、まだその対価の支払が終わっていないものです。
たとえば、給料、支払利息などサービスの提供を継続的に受け、かつ、契約の全てが完了していないものです。
こうした細かい科目の区別は、決算の際に専門家にまかせておけばよいと思います。
買掛金、未払金、未払費用などの債務は、すべて返済期日が決まっています。経営者はその返済期日を確認しておけば問題ありません。
「債務」の計上は意外ともれてしまいます。決算の際には注意してください
■決算日が休日の場合
月末に支払うものが翌月になってしまいます。うっかりということがないよう翌月払いになっているものをチェックしてください。
■たとえば12月決算の場合
翌年の1月1日以降の預金口座の引き落としを確認します。その中で12月までの経費のものがないかどうかをチェックします。
■個人事業主の場合、翌年1月以降に届いた請求書をチェックし、未払計上の必要があるものを拾い出します
仕入先が20日締めの翌月10日払いのような請求ルールの場合には、12月末に届く請求書には12月21日から31日までの分が記載されていません。
1月末に届く12月21日から1月20日分の請求書を見て、そのうち12月末までに発生しているものを未払計上してください。
■給与(役員報酬は除く)についても、忘れないよう
たとえば20日締めの25日払いのケース。
12月21日から31日までの分の給与はすでに発生しています。1月25日支給分(12月21日から1月20日までの分)の金額を31日で割って、すでに経過した11日分を掛けて給与の未払費用として計上します。
債務の計上がもれると当期の利益が変わります。利益が変わると課税所得が変わります。課税所得が変わると税額が変わります。
経営者は「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことをおすすめします。
Every day is a new day!
今日も秋の1日を元気にお過ごしください。
経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方
③ 売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう。
④ 売上総利益は率をチェックしましょう。大切なことが分かります。
⑤ 会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意。
⑨ 本来の事業でどれだけ稼げているか?がわかるのが営業利益。
⑫ PLの中の5つの利益のうち、4つめの利益が税引前当期純利益
⑬ 5つめの利益が当期純利益。会社が1年間で得た最終的な利益です。
⑭ 貸借対照表の見方~お金の動かしやすいものから、上から順にならびます。
⑲ 販管費のうちの人件費。ポイントになるのは「役員報酬」です
㉒ 開業費などの繰延資産の考え方。繰延費用と考える方がわかりやすい。
㉓ 売掛金の回収サイトのチェックポイント。介護事業の回転月数は約2.5月。
㉕ 在庫の過大計上は資産が増えるわけですから「利益」が増えます。
土曜日は「会計」を紹介しています。
ブログ記事はhttp://www.y-itax.com/category/keiri/
会計超理解ハンドブック(No1~No17)
② 財務三表とは?
⑨ 減価償却費って何ですか?
⑪ 決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイントは純資産です。
⑬ C/F計算書のチェックポイントは「営業キャッシュフロー」です。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制」特例のポイント解説
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