代表権がない先代経営者の配偶者が適用を受けられないケース~「新事業承継税制」特例のポイント解説⑰
水曜日は「新事業承継税制」をわかりやすく紹介しています。17回目です。
先代経営者の適用要件から外れるケースを紹介します。
新事業承継税制を受けるための、贈与者である先代経営者の主な要件は次のものでした
①会社の代表権を有していたこと
②同族グループ50%超・筆頭株主の要件
贈与直前において、先代経営者グループで過半数の議決権を有し、かつ先代経営者グループの中で後継者を除いて筆頭株主であること
③贈与時までに代表者を退任すること
たとえば「先代経営者は会社の代表権を有していたこと」の要件から外れるケースとは
①先代経営者に急な相続が発生し、代表権は会社の後継者である長男が引継いだ。しかし、急な相続であったので、相続税の負担を軽減させる必要があった。
そこで「配偶者の税額軽減(相法19の2)」の適用を受けるため、会社の関係のない先代経営者の配偶者に、自社株の全部を相続させた。
②先代経営者の相続後、しばらく経って長男への事業承継の準備等が進み、自社株式を配偶者から後継者の長男に、「新事業承継税制」を使って贈与しようとした。
しかし、先代の配偶者は代表権を有していなかったので、「新事業承継」の納税猶予の特例を受けることができない。
「新事業承継税制」では「自社株式(議決権有り)」と「代表権」の2つの承継が必要です
会社経営権を表徴するこの2つのものを、先代経営者から後継者に引き継ぐことを想定しています。
上の例のようなケース、先代経営者の相続時に、会社と関係のない先代経営者の配偶者に自社株式の全部を相続させることがないよう、承継にあたっては計画的な事前準備に取り組まれることをおすすめします。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
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水曜日は「新事業承継税制」を紹介しています。
http://www.y-itax.com/category/shokei/
新事業承継税制の特例のポイント解説
③ 非上場株式等の贈与税等の納税猶予及び免除~新旧制度の比較
⑤ 非上場株式等の贈与税の納税猶予を受けるための手続(その2)~贈与税申告の後
⑧ 新事業承継税制は中小企業の株式を贈与相続により移転する際に活用します。
⑨ 新事業承継税制の利用により、いくら相続税が猶予・免税になるのか?
⑩ 贈与税の納税猶予からはじめた場合の「新事業承継税制の全体像イメージ」
⑪ 贈与税の納税猶予からスタートした場合に、先代経営者に相続が発生した時の取扱い
事業承継・税理士の視点
④ 「誰に事業を承継させるのか?」~親族内承継、従業員承継、M&A
「同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。
http://www.y-itax.com/category/houjin/
あてはまる事例を参考にしてくださいね。
土地貸借の税務ルール
・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)
・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)
・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)
・「権利金に代えて、相当の地代に満たない地代を支払うケース」はこちら(2/21)
・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)
土地売買の税務ルール
・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)
・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)
・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)
・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)
・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)
・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)
建物貸借の税務ルール
・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)
・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)
・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)
・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)
金銭貸借の税務ルール
・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)
・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)
・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)
・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)
・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)
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