収益の予想を立て、軌道に乗るまでの収支の流れを把握する。~事業計画(創業計画書)の立て方⑤
開業のための基礎知識を、次の順序で説明しています。
1 個人事業を始める場合の各種届出と確定申告
2 事業の具体的な準備~創業融資を利用する
3 事業計画(創業計画書)の立て方
「事業計画(創業計画書)の立て方」について、次のとおり紹介していきます。
1 なぜ、事業計画(創業計画書)が必要なのか?
2 自己資源の確認
3 事業内容の確認
4 販売・仕入・資金計画
5 売上予測、収支返済計画
6 PDCA
事業計画の立て方の4回目。
収入(売上)を予測するとともに、支出(売上原価、人件費、家賃、経費など)を見積もる収支計画書を作成します。
下図のような計画です。
(出所:日本政策金融公庫「創業計画書」)
収入(売上)予測の方法について
例えば、次のように業種により定型的な売上予測方法があります。
■美容業 客単価 × 椅子数 × 回転数
1か月 3,950円×2台×4.5回転×25日=88万円
■飲食業 客単価 × 席数 × 回転数
1か月 (昼800円×30席×2回転+夜3,500円×30席×0.6回転)×25日=277万円
■歯科診療所 診療平均単価 × 患者数
1か月 保険診療報酬平均単価7,000円 × 15人 × 23日 = 242万円
■介護(デイサービス)平均単価 × 利用者数
1か月 介護保険診療報酬平均単価30,000円 × 延べ70人 = 210万円
■製造業 設備の生産能力 × 設備数
1か月 加工賃@50円×500個×2台(設備数)×25日=125万円
(出所:日本政策金融公庫「売上高等の計算方法について」)
それ以外には、同業種における従業員1人当たりの月間売上高の平均値などの経営指標があります。それらを参考にすることが可能です。
スタートアップ時期は、ざっくりの見込の数字しかのせられないと思います。当然、事業を行う中で、見込金額を調整していく必要があります。
売上予測の数字は、あくまで予測です。しかし、予測ですが、可能な限り合理的な方法を採用することが必要です。
すでに事業を行っている同業他社の売上実績をベースに検討することをおすすめします。また、事業に必要な経費を算出し、そのうえで経費予想からどれだけ売上が必要かという面から、売上予測数字とすり合わせることもおすすめします。
というのは、経費の算出は、売上予測より実績に近い数字です。その経費をベースに売上予測を検討することは、より現実的な計画になると考えるからです。
売上予測と経費算出の後に、収支計画書を作成します。
■収支計画で軌道に乗る時期を予測します。(6月~1年ぐらいは赤字を覚悟します)
■事業開始後、この収支計画を使用して毎月、結果の検証をします。
(出所:「あおもりシニア起業ハンドブック」)
秀逸な事業計画です!
未来食堂(12席の和風定食屋)の店主〝小林せかい〟さんの書籍を読ませていただきました。業種を問わず、開業を考えている方には、彼女の思考と行動は大変参考になると思います。おすすめです。
■未来食堂ができるまで(小学館)
■ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由(太田出版)
■未来食堂に来てください(詳伝社)
Every day is a new day!
初夏の1日を元気にお過ごしください!
月曜日は「開業のための基礎知識」~初めて開業する方に、必要な準備や基礎知識を税理士からお伝えしています。
「開業のための基礎知識」ブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kaigyo/
事業計画(創業計画書)の立て方
③ 事業内容の確認とは、ビジネスモデルのグランドデザインを行うこと。事業継続後、何度でも見直します。
④ 販売・仕入・資金計画、このうち販売計画は経営戦略の最重要項目です。
開業前に知っておきたい創業融資の知識創業時の資金調達は、次のとおりです。
③ 日本政策金融公庫 <新企業育成貸付> 新規開業資金とは。
④ 日本政策金融公庫 <新企業育成貸付> 女性・若者・シニア起業家支援資金とは。
⑤ 日本政策金融公庫 <新企業育成貸付> 中小企業経営力強化資金とは。
事業開始前に知っておきたい経理と消費税の基礎知識は、次のとおりです。
⑤ 確定申告書を作成、場合によっては税理士への依頼を考える。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
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