「非上場株式等の贈与税・相続税の納税猶予および免除~新旧制度の比較」~新事業承継税制③
水曜日は、税理士の視点から事業承継を記事にしています。
新事業承継税制とはどのようなものかを紹介しています。
今回は、新旧制度の比較を紹介します。
「非上場株式等の贈与税・相続税の納税猶予および免除~新旧制度の比較」
新事業承継税制の3回目です。
分かりやすく言うと、新事業承継税制は贈与税ゼロで贈与できるという制度です。
新事業承継税制は、後継者である受贈者・相続人等が、円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度です。
※ 「納税猶予」とは、納税者保護などの理由から税の納付を一定期間に限って猶予するということです。「免除」とは、その猶予していた租税債務を免税にすることです。
平成30年度税制改正では「特例措置」として新事業承継税制を創設
これまでの制度(「一般措置」)に加えて、10年間の措置として、納税猶予の対象となる非上場株式等の制限(総株式数の最大3分の2まで)の撤廃や、納税猶予割合の引上げ(80%から100%)等がされた新事業承継制度(「特例措置」)が創設されました。
ざっくりとは下図のようなイメージになります。
新旧制度は次のとおり
下図では、新事業承継税制が「特例措置」、旧制度が「一般措置」という表現をしています。
新制度は、特例措置として利用しやすい制度になりました。
(出所:国税庁資料)
本来であれば贈与税・相続税の納税が必要である場合に、この制度は一定の手続きをすれば納税猶予・免税になる制度です。したがって、その要件や手続き等は厳しく定まっています。
たとえば、新制度では「5年以内の特例承継計画の提出」として事前の計画策定が必要です。また、適用期限は「10年以内の贈与・相続等に限る」として、その適用期間を絞っています。適用にあたっては、その期間における手続きにかかる事務負担やコストなどに配慮する必要があります。
この制度は、ほとんどの方が有利になる制度です。しかし、入り口要件として「特例承継計画」の作成や長期間にわたってその要件に該当するかどうかモニターが必要になります。
今後、制度の適用について気になる経営者の方は、ご相談ください。
少子高齢化などの社会的な変化を凝視しながら、事業承継についての取り組みを認定経営革新等支援機関として、またその対策を税理士の視点から考えていきます。
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みなさん。今日も春の1日を元気にお過ごしください。
新事業承継税制
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