「家と土地をセットで相続により取得することが大前提」~空き家売却の3,000万円控除 の間違いやすい点①
金曜日は、相続税をわかりやすく紹介しています。
相続した実家について、「空き家売却3,000万円の特別控除」の特例を使えるかどうか?
重要なポイントを紹介していきます。
今回は
「家と土地をセットで相続により取得することが大前提」~空き家売却の3,000万円控除の間違いやすい点①
です。
前回まで、相続した実家について、売却の際には三つの優遇制度があることを紹介しました。そのうち「空き家売却3,000万円の特別控除」の適用にあたって、間違いやすいポイントを紹介します。
家と土地をセットで相続により取得することが大前提
空き家を取り壊してしまう場合に、見過ごしがちですが、この特例を使えるのは、相続人が家屋と土地をセットで相続により取得したときだけです。
極端な例ですが、例えば、相続人のうちの1人だけが家屋を相続して取り壊した場合、土地だけ相続した他の相続人は、この特例は使えません。
例えば、次のような遺産分割を行った場合
長女 … 建物全部、土地1/2
次女 … 土地1/2
遺産分割協議で、長女が家を取り壊して売ることを前提に、土地は2人で2分1ずつ相続して売却する予定で遺産分割を行いました。
この場合、長女はこの特例を使えますが、次女はこの特例を使えません。
相続人が家屋と土地をセットで相続により取得することが前提です。
次のような場合はアウトです。
では、どうすればよいのか?
共有で相続します。
たとえば、姉妹が空き家とその敷地を1/2ずつ共有で相続した後に売却した場合に、それ以外の要件を満たせば、各々3,000万円の特別控除が受けられます。なお、売却価格は1億円という上限がありますので、姉妹の売却価格の合計で1億円以下を判定します。
この制度は適用要件が細かいです。適用にあっては、要件を適切にあてはめて判断することをおすすめします。
参考までに、「被相続人の居住用財産を譲渡した場合の特例チェック表」は下図とおりです。
相続税に関することで気になることがあれば、電話やメールでお気軽にご相談ください。
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みなさん。今日も春の1日を元気にお過ごしください.。
相続した実家が「空き家」だった場合
・①「不動産売却時には三つの優遇制度があります」はこちら(3/23)
・②「相続税の取得費加算の特例適用を使えるかどうかを検討する」はこちら(3/30)
・③「空き家売却の3,000万円控除を使えるかどうかを検討する」はこちら(4/6)
相続税の三原則は次のとおり
・「相続税の節税の三原則~生前贈与と制度をフルに活用します」はこちら(12/8)
・「三原則のひとつ~不動産を活用する。お金をモノに換えておく」はこちら(12/15)
・「お金をモノに換えておく。小規模宅地等の減額特例」はこちら(12/22)
・「小規模宅地等の減額特例~土地を誰が相続するかにより評価額が変わります」はこちら(12/29)
・「小規模宅地等の減額特例~二世帯住宅は登記で特例適用が使えるどうかが分かれます」はこちら(1/5)
・「空き地を活用してアパートを建てるスキームとは」はこちら(1/12)
・「減額特例は老人ホームに入居した場合には適用がありますか?」はこちら(1/19)
・「制度を活用する!~生命保険のメリット」はこちら(1/26)
・「制度を活用する!~高齢で無保険であれば一時払い終身保険がおすすめです」はこちら(2/2)
・「生命保険金を活用する~保険料を支払っていた人は誰ですかに注意」はこちら(2/9)
・「養子縁組の活用~両刃の剣です」はこちら(2/16)
・「債務(マイナスの財産)も財産です。債務は相続財産から差し引きます」はこちら(2/23)
・「戒名料などの葬式費用の取扱い」はこちら(3/2)
・「考える優先順位は、もめごと回避が節税より優先します」はこちら(3/9)
・「次は二次相続のことも考えておきましょう」はこちら(3/16)
「相続の権利」でよく問題となるケースは、次のとおり。
・「子どもがいる女性が再婚した場合の相続を考えます」はこちら(9/15)
・「子どもがいない夫婦の相続はどうなりますか?」はこちら(9/22)
・「離婚して慰謝料としてマイホームを夫から受け取りました。税金は?」はこちら(9/29)
・「面倒を見てくれていた同居の息子の嫁がいても、相続権はありません」はこちら(10/6)
・「おひとりさまの相続?」はこちら(10/13)
“争族”を避けるための事前の基礎知識は、次のとおり。
・「遺産を相続人で分ける場合、平等は難しい」はこちら(10/20)
・「介護や世話の評価は、もめる原因に一番なりやすい」はこちら(10/27)
・「特別受益の持ち戻しは公平な相続を行うための気が利いた制度ですが」はこちら(11/3)
・「残す側の思いをしっかりと伝える遺言書」はこちら(11/10)
・「自筆証書遺言・公正証書遺言と成年後見制度の活用」はこちら(11/17)
・「遺言書に関係なく全員の合意があれば相続することができます!」はこちら(11/24)
・「遺産分割の話し合いがまとまらないと相続税に不利益が出てきます」はこちら(12/1)
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