平成30年度介護報酬改定の動向~「サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化とは何か?」訪問介護の論点⑦
介護報酬改定に係る「訪問介護」の主な論点をご紹介します。
見直しの論点は次のとおりです。(出所:平成30年1月26日第158回介護給付費分科会)
「訪問介護」の見直しの主な論点
① 生活機能向上連携加算の見直し
② 「自立生活支援のための見守り的援助」の明確化
③ 身体介護と生活援助の報酬の見直し
④ 生活援助中心型の担い手の拡大
⑤ 同一建物等居住者にサービスを提供する場合の報酬の見直し(訪問系サービス共通)
⑥ 訪問回数の多い利用者への対応
⑦ サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化
⑧ 共生型訪問介護
⑨ 介護職員処遇改善加算の見直し
今回は
「サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化とは何か?」
を紹介します。
「サービス提供責任者の任用要件」について次のような意見がありました。
平成29年11月22日 第152回介護給付費分科会
□ 任用要件から介護職員初任者研修課程修了者、いわゆる旧2級ヘルパーを廃止することが予定されていますが、まだ一定の方がいるため、十分な経過措置が必要です。
□ サービス事業者の職員に対する指導や個別援助計画作成の役割を持つサービス提供責任者の責任は大きく、介護福祉士の有資格者であることが最低要件と考えます。
訪問介護の基準は下図のとおり
これらの意見に対して、次のような対応案が示されていました。
① サービス提供責任者のうち、初任者研修課程修了者及び旧2級課程修了者は任用要件から廃止してはどうか。ただし、現に従事している者については1年間の経過措置を設けることとしてはどうか。
② 初任者研修課程修了者又は旧2級課程修了者であるサービス提供責任者を配置している場合に係る減算についても、上記に合わせて、平成30年度は現に従事している者に限定し、平成31年度以降は廃止することとしてはどうか。
③ また、訪問介護の現場での利用者の口腔管理や服薬管理の状態等に係る気付きをサービス提供責任者からケアマネジャー等のサービス関係者に情報共有することについて、サービスの質の確保にも資するものであることから、明確化してはどうか。
④ 訪問介護の所要時間については、実際の提供時間ではなく、標準的な時間を基準としてケアプランが作成される。一方で、標準時間と実際の提供時間が著しく乖離している場合には、実際の提供時間に応じた時間にプランを見直すべきであることから、サービス提供責任者は、提供時間を記録するとともに、著しくプラン上の標準時間と乖離している場合にはケアマネジャーに連絡し、ケアマネジャーは必要に応じたプランの見直しをすることを明確化してはどうか。
⑤ 集合住宅におけるサービス提供の適正化を求める声が多いことを踏まえ、サービス提供責任者は、居宅介護支援事業所のケアマネジャー(セルフケアプランの場合には当該被保険者)に対して、自身の事業所のサービス利用に係る不当な働きかけを行ってはならない旨を明確化してはどうか。
これらを踏まえて、平成30年度において「サービス提供責任者の役割や任用要件等」について、次の見直しが行われます。
平成30年1月26日 第158回介護給付費分科会
①(任用要件の見直し)
サービス提供責任者のうち、初任者研修課程修了者及び旧2級課程修了者は任用要件から廃止する。ただし、現に従事している者については1年間の経過措置を設ける。【告示改正】
また、初任者研修課程修了者又は旧2級課程修了者であるサービス提供責任者を配置している場合に係る減算についても、上記に合わせて、平成30 年度は現に従事している者に限定し、平成31 年度以降は廃止する。
②(サービス提供責任者の責務)
訪問介護の現場での利用者の口腔に関する問題や服薬状況等に係る気付きをサービス提供責任者から居宅介護支援事業者等のサービス関係者に情報共有することについて、サービス提供責任者の責務として明確化する。【省令改正】
③(ケアプラン変更の援助)
訪問介護の所要時間については、実際の提供時間ではなく、標準的な時間を基準としてケアプランが作成される。一方で、標準時間と実際の提供時間が著しく乖離している場合には、実際の提供時間に応じた時間にプランを見直すべきであることから、サービス提供責任者は、提供時間を記録するとともに、著しくプラン上の標準時間と乖離している場合にはケアマネジャーに連絡し、ケアマネジャーは必要に応じたプランの見直しをすることを明確化する。【通知改正】
下図参考
④(不当な働きかけの禁止)
訪問介護事業者は、居宅介護支援事業所のケアマネジャー(セルフケアプランの場合には当該被保険者)に対して、自身の事業所のサービス利用に係る不当な働きかけを行ってはならない旨を明確化する。【省令改正】
①~④の見直しが実施されます。
その中で、省令改正により④の「不当な働きかけの禁止」を明確化することになっていますが、どうような行為が「不当な働きかけ」に該当するのか?その具体的な書きぶり(内容)に関心を持っています。
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平成30年度介護報酬改定の動向
訪問介護の改定見直しの主な論点
・論点①「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」はこちら(2/6)
・論点②「自立生活支援のための見守り的援助の明確化とは何か?」はこちら(2/8)
・論点③「身体介護と生活援助の報酬の見直しとは何か?」はこちら(2/13)
・論点④「生活援助中心型の担い手の拡大とは何か?」はこちら(2/15)
・論点⑤「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/22)
・論点⑥「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(2/27)
訪問看護の改定見直しの主な論点
・論点①「在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化とは何か?」はこちら(1/16)
・論点②「ターミナルケアの充実とは何か?」はこちら(1/18)
・論点③「複数名訪問加算の創設とは何か?」はこちら(1/23)
・論点④「訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直しとは何か?」はこちら(1/25)
・論点⑤「報酬体系の見直しとは何か?~基本サービス費を要支援者・要介護者で別立て」はこちら(1/30)
・論点⑥「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/1)
居宅介護支援の改定見直しの論点
・論点①「質の高いケアマネジメントの推進とは何か?」はこちら(12/26)
・論点②「公正中立なケアマネジメントの確保とは何か?」はこちら(12/28)
・論点③「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(1/2)
・論点④「医療と介護の連携強化とは何か?」はこちら(1/4)
・論点⑤「末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメントとは何か?」はこちら(1/9)
・論点⑥「障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携とは何か?」はこちら(1/11)
通所介護サービスの適正化について
・「通所介護に係る基本報酬の減算措置を含めた介護報酬の適正化」はこちら(12/12)
・「通所介護サービスの論点~生活機能向上連携加算の創設」はこちら(12/21)
有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化について
・「有料老人ホーム等の訪問介護サービスの見直し」はこちら(12/5)
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