井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.01.31.Wed | 税金(法人)

「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します。~土地の貸借編②「会社が権利金を支払うケース」

水曜日は、「同族会社とその役員との取引」について税務上の問題点となるケースを取りあげて紹介しています。17回目です。

前回から「会社が、社長から土地を借りる」ケースを検討しています。

前回はその中で、会社が権利金を支払わないケースを検討しました。結論は、土地を借りた会社には借地権を無料でもらったものとして法人税が課税されるというものでした。

 

では、権利金を支払う場合はどうなるでしょう?

今回は

「会社が権利金を支払うケース」を考えます

 

事例で考えます。

Q 会社は、社長の所有する土地を借り受けて、本社ビルを建設します。ビルの敷地として借りますが、土地の借り受けるにあたって、一般的な土地の賃貸借契約と同様に権利金を支払った方がよいのでしょうか?

近辺ではこういう場合には権利金の授受が行われているようです。

A 会社は権利金を支払う必要があります。土地所有者が、第三者にその土地を貸す場合、通常は権利金をもらいます。この場合の第三者には社長も含まれます

 

土地を借りた会社の税金は

(借地権が発生します)

土地貸借を行う場合、特に建物を建てる目的で土地を借りると、借地人に強い権利が認められます。その見返りに、借地人は土地所有者に対し権利金を支払う慣行があります。この権利金の金額は地域によって違います。

通常は、土地の価額に一定の割合を乗じて算出します。その一定の割合を「借地権割合」といいます。

例えば、土地の時価1.4億円で、借地権割合70%の場合、権利金の額は1.4億円×70%=1億円になります。

 

(税法では)

権利金の授受が慣行となっている地域では、本社ビルを建設するために土地を借りるという場合であれば、土地所有者は権利金をとらなければならないと考えます。

したがって、この事例のケースでは、権利金の授受が必要となります。

会社が権利金を支払った場合に、会社は「借地権」を取得することになります。

 

(土地を借りた会社の税金)

適正な金額の権利金を支払った会社は、税金の問題は発生しません。権利金の額が借地権になります。

次のような仕訳をすることになります。

借地権 ××× /  現金預金 ×××

 

土地を貸した社長の税金

権利金は、譲渡所得または不動産所得になります。

権利金の金額が、その土地の時価の2分の1以下であれば不動産所得。そうでなければ譲渡所得になります。

 

会社と社長の取引には、思わぬところで税務上のリスクが発生します。

ご注意をお願いします。

気になるケースがある場合は、お気軽にご相談ください(初回無料です)。

 

次回2/7(水)は「権利金に代えて相当の地代を支払うケース」を取りあげますね。引き続き、会社と社長の税金を考えていきます。

では、みなさん、今日も元気に冬の1日をお過ごしください!

 

水曜日は、「同族会社とその役員の手引き」を紹介しています。あてはまる事例を参考にしてくださいね。

土地貸借の税務ルール

・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)

 土地売買の税務ルール

・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)

・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)

・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)

・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)

・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)

・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)

建物貸借の税務ルール

・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)

・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)

・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)

・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)

 金銭貸借の税務ルール

・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)

・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)

・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)

・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)

・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」

・水曜日は「同族会社とその役員の手引き」

・金曜日は「相続税をわかりやすく!」

・土曜日は「会計の勉強を始めた起業者の方に“会計超理解ハンドブック”」

・日曜日は「住宅取得等資金の贈与の非課税」の誤りやすい事例

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ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

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