新しい公益信託税制における信託期間中の受託者(法人)の税制優遇措置について~ 公益信託[25]
公益信託の記事を掲載します。
受託期間中において、受託者が法人の場合の主な税制優遇措置は2つです
を紹介します。
1 受託者段階での法人税非課税
法人税法上、信託の受益者等はその信託の信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなし、かつ、その信託財産に帰せられる収益及び費用はその受益者等の収益及び費用とみなして、法人税法の規定が適用されます。
しかし
公益信託の信託財産に属する資産および負債ならびにその信託財産に帰せられる収益および費用については、この限りでないこととされています。非課税です。
法人が受託者となる公益信託の信託財産に属する資産および負債ならびにその信託財産に帰せられる収益および費用は、その法人の各事業年度の所得の金額の計算上、その法人の資産および負債ならびに収益および費用でないものとみなして、法人税法の規定を適用することとされています。
すなわち、委託者および受託者の段階においては課税がされません。
2 利子及び配当等の所得税非課税
公益信託の受託者である法人が受け取る利子および配当等については所得税が課されないため、源泉徴収がされません。
<参考> 消費税の課税について
原則として、寄附金等特定収入を原資とした課税仕入れが想定されます。
公益法人と同様の次の取り扱いになります。
① 特定収入と調整計算
特定収入とは、補助金、寄附金、受取配当金、保険金、損害賠償金などの不課税収入を指します。特定収入に関連した消費税の計算において、次の調整が必要となります。特定収入によって財源が賄われた「仕入等にかかる消費税額」は差し引くことができません。
② 仕入税額控除は次の式で調整されます
仕入税額控除 = 調整前の仕入税額控除 – 特定収入に係る課税仕入れ等の税額
③ 特定収入割合
特定収入割合が5%を超える場合、特例計算が適用されます。(公益信託は特定収入割合が5%を超えると考えられます。)
特定収入割合は次の式で計算します。
特定収入割合 = 特定収入の合計額 / (課税売上高(税抜き) + 免税売上高 + 非課税売上高 + 国外売上高 + 特定収入の合計額)
(出所:週刊税務通信NO3829 新公益法人・公益信託制度の概要とポイント)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター・F.ドラッカー)
冬の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
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・「公益信託」
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