経過期間後(令和11年10月以降)に免税事業者から棚卸資産を取得した場合の法人税法上の取り扱い ~ インボイス制度 消費税[641]
消費税の記事を掲載します。
令和11年10月以降は税務上はインボイス発行事業者以外の課税仕入れについては仮払消費税等の額はないことになります
を紹介します。
たとえば
Q:
1 令和12年9月1日に免税事業者から国内にある商品(家具)20個を仕入れ、その対価として220万円(11万円×20個)を支払いました。この取引について 支払対価の額の 110 分の 10 相当額(20 万円)を仮払消費税等の額として経理しました。
2 税抜経理方式で経理(9月決算)をしています。
3 ① 仮払消費税等の額140万円(当該取引20万円とインボイス発行事業者との取引120万円)
② 仮受消費税等の額140万円
③ 未払消費税等の額20万円
④ 雑損失 ①140万円+③20万円-②140万円=20万円
4 この商品のうち10個は期末時点で在庫として残っています。この場合の課税仕入れにかかる法人税法上の取扱いはどうなりますか?
ⅰ 仕入時の仕訳
ⅱ 決算時の仕訳
A:
1 経過措置期間の終了後である令和11年10月日以降は
税務上はインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れについては仮払消費税等の額がないこととなります。
仮に法人の会計において仮払消費税等の額として経理をした金額がある場合には、その金額を取引の対価の額に含めて法人税の所得金額の計算を行うことになります。
つまり
このケースでは、法人の会計上、20 万円を仮払消費税等の額として商品の取得価額と区分して経理をしていますが、税務上は仮払消費税等の額はないことになります。
この20万円は商品の取得価額に含めることになります。
2 決算時に雑損失として計上した金額(20万円)のうち期中に販売した商品の金額は
売上原価とし て当該事業年度の損金の額に算入されます。一方、期末に在庫として残った商品に係る部分の金額である 10 万円(20 万円×10 個/20 個)を雑損失の過大計上としてこの事業年度の所得金額に加算することになります。
4 税抜経理方式で経理をしている場合
課税期間終了の時における仮受消費税等の額の合計額から仮払消費税等の額の合計額(控除対象外消費税額等に相当する金額を除く)を控除した金額とこの課税期間に係る納付すべき消費税等の額との差額については、この課税期間を含む事業年度において益金の額又は損金の額に算入することになります。
この場合の仮払消費税等の額の合計額には、インボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れについて仮払消費税の額として経理した金額は含まれません。
すなわち
このケースの場合には、法人の会計上、このケースでは、法人の会計上、商品の取得価額と区分して経理をした 20 万円の仮払消費税等の額を商品の取得価額に含めていないため仮払消費税等の額が 140万円になっています。
しかし、税務上の仮払消費税等の額は 120 万円(インボイス発行事業者との取引に係る部分)になります。
仮受消費税等の額の合計額(140 万円)から仮払消費税等の額の合計額(120 万円)を 控除した金額(20万円)と課税期間に係る納付すべき消費税等の額(20万円)との差額 は ありません。
この事業年度において雑損失として損金の額に算入する金額はありません。
別表四の申告調整は次のとおりです
(出所:消費税経理通達関係Q&A 問6)
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する
(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
冬の1日を朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
公益信託の記事はお休みしました。
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