登録事業者と登録していない人が共有で持っている不動産を譲渡・貸付けをした場合の考え方~ インボイス制度 消費税[601]
消費税の記事を掲載します。
インボイス発行事業者でない共同所有者とともに共有物の譲渡または貸付けを行った場合
を紹介します。
たとえば
Q:
1 当社はインボイス発行事業者です。
2 インボイス発行事業者でない事業者と共有している建物を売却します。
3 インボイスはどのように交付すればよいですか?
A:
インボイス発行事業者がインボイス発行事業者以外の者と資産を共有している場合
その資産の譲渡や貸付けについては、所有者ごとに取引を合理的に区分し、相手方の求めがある場合には、 インボイス発行事業者の所有割合に応じた部分について、インボイスを交付する必要があります。
したがって
貴社は建物の売却代金のうち、貴社の所有割合(たとえば持分)に対応する部分を基礎として、インボイスを交付することとなります。
<参考>
インボイス通達1-8-7
(共有物の譲渡等における適格請求書に記載すべき課税資産の譲渡等の対価の額等)
「適格請求書発行事業者が、適格請求書発行事業者以外の者である他の者と共同で所有する資産(省略)の譲渡又は貸付けを行う場合には、当該共有物に係る資産の譲渡等の金額を所有者ごとに合理的に区分するものとし、適格請求書に記載する法第57条の4第1項第4号《適格請求書発行事業者の義務》に掲げる「課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額を税率の異なるごとに区分して合計した金額」及び同項第5号に掲げる「消費税額等」は、自己の部分に係る資産の譲渡等の金額に基づき算出することとなることに留意する。」
そもそも
インボイス発行事業者とインボイス発行事業者以外の者が不動産の貸付などをしている場合
次の方法(AまたはB)が考えられます。
A:所有者ごとの契約書または請求書(領収書)を作成のうえ交付します。
B:インボイス発行事業者以外の者(免税事業者)にインボイス発行事業者になってもらい、
2割特例または簡易課税制度を適用を検討します。
(出所:インボイス制度に関するQ&A 問52)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
白露の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
トップ画像は、先日開催した研修会の様子。
令和6年度第4回吹田支部研修会を9月6日に開催しました。セミナーは「“信託”を活用した資産・事業承継」です。
講師は、株式会社日税信託の渡辺浩二取締役です。セミナーの企画と当日の質疑応答や多くの事例の紹介につき、渡辺さんには大変お世話になりました。ありがとうございます。
また、同社の高瀬義裕氏にも大変お世話になりました。ありがとうございます。
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