売り手負担の振込手数料を会計上「支払手数料」として処理しています。消費税法上で売上値引きとして取り扱うことはできますか? ~ インボイス制度 消費税[595]
消費税の記事を掲載します。
経理処理を支払手数料としながら、消費税では売上げに係る対価の返還等とすることができます
を紹介します。
たとえば
Q:
① 売手からの代金請求について、取引当事者の合意の下で買手が振込手数料相当額を請求金額から差し引いて支払うことで売手がその振込手数料相当額を負担してます。
② 当社は、その負担額を支払手数料として経理処理していますが、インボイス制度において、売上げに係る対価の返還等として経理処理することを考えています。
③ この場合、どのような対応が必要となりますか?
A:
売手が負担する振込手数料に係る経理処理については、その振込手数料を売上げに係る対価の返還等として処理する場合または支払手数料として処理する場合があります。
ご質問のように、支払手数料としての経理処理をインボイス制度後、売上げに係る対価の返還等としての経理処理に変更することは問題ありません。
振込手数料相当額を売上げに係る対価の返還等として処理する場合
買手に対して返還インボイスを交付する必要がありますが、一般的には、こうした振込手数料相当額は1万円未満となります。
その場合は、返還インボイスの交付義務が免除されます。
売手が買手に対して売上げに係る対価の返還等を行った場合の適用税率は、売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等の適用税率に従います
つまり、8%対象の課税資産の譲渡等を対象とした振込手数料相当額の売上値引きには、8%が適用されます。
経理処理を支払手数料としつつ、消費税法上、売上げに係る対価の返還等とすることができます
この場合でも、売手が買手に対して売上げに係る対価の返還等を行った場合の適用税率は、売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等の適用税率に従うことから、適用税率に応じた区分のほか、帳簿に売上げに係る対価の返還等に係る事項を記載する必要があります。
この点、支払手数料のコードを売上げに係る対価の返還等と分かるように別に用意するといった、通常の支払手数料と判別できるように明らかにする対応が必要になります 。
(出所:インボイス制度に関するQ&A 問30)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
処暑の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
トップ画像は「トマトとモッツァレラチーズのスパゲティ」と「鯛のカルパッチョ」です。
初心者(私)の調理ですが、美味しかったです。
「鯛のカルパッチョ」のわさびドレッシングは初めてでした。料理によく馴染んでました。
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