新しい公益信託制度の今後のスケジュールについて ~ 公益信託[10]
公益信託の記事を掲載します。
7/5に「今後のスケジュール、進め方」や「政令、内閣府令等の検討の方向性」について、フォローアップ会合が開催されています
を紹介します。
スケジュールとしては、先に「公益法人制度」に関する政令・内閣府令改正、ガイドライン全見直し、新会計基準策定を令和6年に行います。
一方、新しい「公益信託制度」については、こうした公益法人制度の検討を踏まえて、政令・内閣府令などの制定、公益信託ガイドライン策定、公益信託会計基準策定などを、順次、令和7年夏頃までを目処に策定するスケジュールです。
次のとおりです
一方、新しい「公益信託に関する法律」の概要は次のとおりです(施行は令和8年4月予定)
1 新制度の趣旨
① 公益信託は、公益法⼈のように機関を設けることなく、信託財産および受託者の組織・能⼒を活⽤して、委託者の意思を反映した公益活動を⾏う制度です。
② 現⾏では、主務官庁による許可や監督の基準が不統⼀であることや税制優遇を得るための制約が多いことを背景に、公益法⼈と⽐べ利⽤されていない(信託件数約400件、信託財産額500億円)状況です。
③ このため、主務官庁制を廃して公益法⼈と共通の⾏政庁が公益信託の認可・監督を⾏う制度に改めるとともに、公益信託の認可基準およびガバナンス等を法定することで、国⺠からの信頼を確保しつつ、使いやすい制度へと⾒直しを⾏い、⺠間公益の活性化を図ります。
2 主な内容
A 主務官庁制の廃⽌と⾏政庁(公益法⼈と共通)による認可・監督制の創設
① 公益信託は、公益事務※を⾏うことのみを⽬的とするものとし、⾏政庁の認可を受けなければ、その効⼒を⽣じないものとします。
※ 不特定かつ多数の者の利益の増進を⽬的とする事務として公益法⼈と同様の内容を規定します。
② 主務官庁による許可・監督制を廃⽌し、⾏政庁(内閣総理⼤⾂または都道府県知事)が公益認定等委員会または都道府県に置かれる合議制の機関の意⾒に基づき、公益信託を認可します。
④ 公益信託の変更等は⾏政庁の認可を受けなければ、その効⼒を⽣じないものとします。
⑤ 公益信託の受託者に対する報告徴求および検査、勧告および命令並びに認可の取消しについて、公益法⼈と同等の規定を設けます。
B 公益法⼈と同様に認可の基準・ガバナンス等の法定
① 公益信託の受託者は、公益信託事務を適正に処理するのに必要な経理的基礎および技術的能⼒を有するものであることとします。
② 公益信託の信託管理⼈は、受託者による公益信託事務の適正な処理のため必要な監督をするものであることとします。
④ 公益信託において、公益法⼈と整合した財務規律を設けます。
⑤ 公益信託の認可基準として、終了時に類似の公益⽬的を有する他の公益信託の受託者等に残余財産を帰属させる旨の定めを信託⾏為に置かなければならないなどの規定を設けます。
(出所:24/07/05 新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議第2回フォローアップ会合資料1-2)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
小暑の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
【編集後記】
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・「公益信託」
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