派遣社員や出向社員へ支払った出張旅費等の仕入税額控除の考え方 ~ インボイス制度 消費税[540]
消費税の記事を掲載します。
従業員に支給する出張旅費、宿泊費、日当等などは、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められますが、派遣社員や出向社員に対して支払われる出張旅費の取り扱いはどうなるでしょうか?
を紹介します。
たとえば
Q:
1 K社は、自社で雇用している従業員と同様に、派遣社員や出向社員が出張した際にも、旅費規程に基づき出張旅費を支払っています。
2 この出張旅費については、派遣元企業や出向元企業を通じて派遣社員や出向社員に支払われることになります。
3 K社は、仕入税額控除の要件として派遣元企業や出向元企業から請求書の交付を受けて、これを保存する必要はありますか?
A:
従業員に支給する出張旅費、宿泊費、日当等(「出張旅費等」といいます。)のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額については、課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして取り扱われ、この金額については帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。
派遣社員や出向社員に対して支払われる出張旅費はそれぞれ次のとおり取り扱うこととなります
1 派遣元企業などに支払うもの
出張旅費等が直接的に派遣社員などへ支払われるものではなく、派遣元企業などに支払われる場合には
派遣先企業や出向先企業においては、人材派遣の役務の提供に係る対価として、仕入税額控除に当たり派遣元企業等から受領したインボイスの保存が必要となります。
2 派遣元企業などを通じて派遣社員や出向社員に対して支払われるもの
派遣元企業などがその出張旅費等を預かり、そのまま派遣社員等に支払われることが派遣契約や出向契約において明らかにされている場合には
派遣先企業などにおいて、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除を行うこととして問題ありません。
この場合、出張旅費等に相当する金額について、派遣元企業などにおいては立替払を行ったものとして課税仕入れには該当せず、仕入税額控除を行うことはできません。
次の点に注意します
- これらの出張旅費等には、概算払いによるもののほか、実費精算されるものも含まれます。
- また、海外出張のために支給する出張旅費等については、原則として課税仕入れには該当しません。
<参考>
→ 出張旅費、宿泊費、日当はインボイスなしでも仕入税額控除できます
(出所:国税庁 Q&A 令和5年12月15日公表分 問15)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日、元気にお過ごしくださいね。
[編集後記]
ブログは、曜日によりテーマを決めて書いております。
現在は、消費税の記事を取り上げて、月曜日~金曜日に記事を書いております。
・「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。
また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。