山林の伐採・譲渡が事業に該当するかどうか?消費税の対象となるかどうかの考え方について~ インボイス制度 消費税[528]
消費税の記事を掲載します。
「事業として」=対価を得て行われる資産の譲渡および貸付けならびに役務の提供が「反復」「継続」「独立」して行われることをいいます
を紹介します。
たとえば
Q:
小売業を営む個人の課税事業者が、先祖代々所有している雑木林を土地とともにゴルフ場を新設しようとする事業者に譲渡した場合、その山林の譲渡は事業として行う資産の譲渡等に該当するのでしょうか?
A:
事例の場合は、事業に該当しません。消費税の対象外です。
山林の育成には通常50年程度かかることから
山林の伐採、譲渡が事業として行われるものであるかどうかは、伐採、譲渡の反復、継続性のほかに伐採、譲渡の準備行為ともいえる山林の育成、管理の度合も加味して総合的に判断する必要があります。
山林の育成・管理が伐採、譲渡のために十分な程度行われている場合には事業に該当することとなります
したがって、植林を行い、伐採、譲渡を行うことを予定して育成・管理を行っていた山林を伐採、譲渡した場合には、たとえその者における伐採、譲渡が数十年に1回しか行われない場合であっても、事業として行う資産の譲渡に該当することとなります。
一方、これに対して
事例のような場合には、たとえ年に1、2回程度下草刈りなどを行っていたとしても、伐採、譲渡を行うことを予定して育成・管理を行っているものではありません。
事業として行う資産の譲渡には該当しないこととなります。
<参考>
消費税法基本通達5-1-1
(事業としての意義)
「法第2条第1項第8号《資産の譲渡等の意義》に規定する『事業として』とは、対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供が反復、継続、独立して行われることをいう。
1 個人事業者が生活の用に供している資産を譲渡する場合の当該譲渡は、「事業として」には該当しない。
2 法人が行う資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供は、その全てが「事業として」に該当する。」
(出所:国税庁 消費税質疑応答集 )
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
今日からインボイス記事をはなれて、消費税の基本的な考え方を再認識していく記事にしていきます
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・「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
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