キャッシュフロー計算書は「資金繰り表」です。~会計の勉強を始めた起業者の方に“会計超理解ハンドブック”
土曜日は、起業者にとって必要な“会計”を紹介しています。
今回は「キャッシュフロー計算書は資金繰り表です」を紹介します。
キャッシュフロー計算書(略して、CF・シーエフ)とは、会社の現金の動きを表した収支計算書です。言い換えれば、「資金繰り表」です。
上場企業などの2000年3月期の決算から、作成・開示が義務付けられました。中小企業ではその作成は求められていません。
キャッシフロー計算書とは、一言で表せば次のようなものです。
いま、前期末のキャッシュ残高が2,000、当期末のキャッシュ残高が700で当期のキャッシュフロー▲1,300という会社があったとしますが、会社がどんな状況だったかわかりません。
そこで、キャッシフロー計算書は、そのキャッシュの減少・増加を説明しようするものです。増加・減少を3つのカテゴリーに分類して、会社の事業活動を表します。
(図の出所:「財務3表一体理解法」:國貞克則)
キャッシフロー計算書の3つの区分は詳しくは説明しませんが、中小企業の資金繰り表とほとんど同じです。
資金繰り表は作成される会社がほとんどですので、したがって、資金繰り表を見て頂きます。
資金繰り表で理解していただいた方が、わかり易いです。資金繰り表は法律で決まっているわけではありませんが、下図のようなものがオーソドックスです。
(出所「中小会計要領の手引き」:中小企業庁)
まず、営業活動による現金の出入りを「経常収支」として、現金の売上や売掛金の回収などでお金の入り(キャッシュイン)と、商品の仕入れや人件費の支払いなどでお金の支出(キャッシュアウト)を整理します。
「経常外収支」には、借入や返済、固定資産の購入や売却に関する収支を表します。
上図の資金繰り表とキャッシュフロー表を対比しますと、「経常収支」が営業キャッシュフローに、「経常外収支」のうち設備等収支に関するものが投資キャッシュフローに、財務収支に関するものが財務キャッシュフローになります。
その資金繰り表は、事業計画書とも密接に関係しています。
例えば、金融機関に対して開業の時に、事業の状況を正確に説明する場合には、事業計画書と整合した資金繰り表が必ず必要になります。
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起業者にとって“会計”を、分かりやすく解説していきます。
起業者には、「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールすること」は必須です。そのためには、利益や売上高など会社の成績をあらわす“会計”と、お金をどのように使うかを判断するための物差しである“ファイナンス”の要点を、ざっくりと押さえておく必要があります。
土曜日は、「会計の勉強を始めた起業者の方に“会計超理解ハンドブック”」
わかりやすく解説していますので、週末の空いた時間に気楽にお読みください。
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