免税事業者にインボイス発行事業者へ転換要請することは独占禁止法上問題とはなりません? ~ インボイス制度 消費税[453]
消費税の記事を掲載します。
取引先の免税事業者に対し、インボイス発行事業者(課税事業者)になるよう要請することがあります。このような要請を行うこと自体は、独占禁止法上問題となるものではありません
を紹介します。
課税事業者になるよう要請することにとどまらず
「課税事業者にならなければ、取引価格を引き下げる」とか
「それにも応じなければ取引を打ち切ることにする」などと
一方的に通告することは、独占禁止法上または下請法上、問題となるおそれがあります。
たとえば「一方的に通告する」とは。次のような事例です。違反行為になります
① 免税事業者が取引価格の維持を求めたにもかかわらず、取引価格を引き下げる理由を書面、電子メールなどで免税事業者に回答することなく、取引価格を引き下げる場合
つまり、仕入側の事業者(買手)の都合のみで著しく低い価格を設定し、免税事業者が負担していた消費税額も払えないような価格を設定した場合には、優越的地位の濫用として、独占禁止法上問題となります。
② 免税事業者が、要請に応じて課税事業者となるに際し、消費税の適正な転嫁分の取引価格への反映の必要性について、価格の交渉の場において明示的に協議することなく、従来どおりに取引価格を据え置く場合については問題になります。
すなわち、取引上優越した地位にある事業者(買手)からの要請に応じて仕入先が免税事業者から課税事業者となった場合であって、その際、仕入先が納税義務を負うこととなる消費税分を勘案した取引価格の交渉が形式的なものにすぎず、著しく低い取引価格を設定した場合については問題になります。
下請法による相談窓口は、「公正取引委員会」「中小企業庁」が併記されていますが、所管が決まっています。どちらかに相談すれば、具体的ケースにより窓口が決まります。
(出所:公正取引委員会「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」)
「変化は起きる。変化を予期せよ。変化を探知せよ。変化を楽しもう!」
(スペンサー・ジョンソン)
秋の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
ブログは、曜日によりテーマを決めて書いておりましたが、現在はインボイスなど消費税の記事を取り上げて記事を書いております。
・「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
免責
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また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。