クレジットカード会社からの請求明細書はインボイスにはなりません ~ インボイス制度 消費税[360]
消費税の記事を掲載します。
今回は
法人カードを利用している場合には、カード会社から一定期間ごとに請求明細書が交付されますが、この請求明細書はインボイスに該当しますか?
を紹介します。
クレジットカード会社がそのカードの利用者に交付する請求明細書は、カード利用者である事業者に対して課税資産の譲渡等を行った事業者が作成・交付した書類ではありません。
消費税法第30条第9項第1号に規定するインボイスには該当しません。
クレジットカードを利用した場合はどうすればよいのでしょうか?
取引相手である店舗などからインボイス(簡易インボイスを交付する取引は簡易インボイス)の記載事項を満たす領収書等を受け取り保存する必要があります。
ただし、1万円未満の課税仕入れに係る特例があります
事業者のうち90.7%の事業者が対象となる「1万円未満の少額特例」です。
1 対象者は次のとおりです
基準期間における課税売上高が1億円以下または特定期間※における課税売上高が5千万円以下の事業者が、適用対象者となります。
※ 「特定期間」とは、個人事業者については前年1~6月までの期間をいい、法人については前事業年度の開始の日以後6月の期間をいいます。
2 適用期間は次のとおりです
令和5年10月1日から令和11年9月30日までの期間が適用対象期間となります。
その間に行う課税仕入れが適用対象となります。
そのため、たとえ課税期間の途中であっても、令和11年10月1日以後に行う課税仕入れについては、少額特例の適用はありません。
3 「1万円」は税込で判定します
つまり、「税込」1万円未満の課税仕入れが適用対象になります。
<参考>
消費税法第30条 仕入れに係る消費税額の控除(令和5年10月1日)
9 第7項に規定する請求書等とは、次に掲げる書類及び電磁的記録(略)をいう。
一 事業者に対し課税資産の譲渡等(略)を行う他の事業者(適格請求書発行事業者に限る。)が、当該課税資産の譲渡等につき当該事業者に交付する適格請求書又は適格簡易請求書
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(ピーター F.ドラッカー)
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