「未成工事支出金」工事完成した時点で一括して仕入控除を行う場合、インボイスの保存はどうなりますか?~ インボイス制度 消費税[345]
消費税の記事を掲載します。
今回は
未成工事支出金として経理する場合、課税仕入れの時期は原則として資産の引き渡しを受けたとき、または外注先・下請先の役務の提供が完了したときです
を紹介します。
たとえば
建設業を営む事業者は、その課税期間において未成工事支出金として経理した金額のうち から、その課税期間における課税仕入れにかかる支払対価を抽出して仕入控除税額を計算することになります。
しかし
未成工事支出金勘定は仮勘定です。
工事が完成した時点で一括して工事完成工事原価に振り替えられ、その内容もその時点で精査されます。
このような点を考慮すると
継続適用条件とする限り、未成工事支出金勘定から完成工事原価に振り替え処理を行う時、つまり、建設工事に係る目的物を完成して相手方に引き渡した日に、未成工事支出金勘定として経理された課税仕入れにつき、課税仕入れがあったもののものとして取り扱うこととしても問題はありません。
事業者が目的物にかかる未成工事支出金として経理した課税仕入れにかかる支払対価の額につき、その目的物の引き渡しをした日の属する課税期間における課税仕入れにかかる支払対価としているときは、継続適用を条件として、認めることとされています。
一方、令和5年9月30日までに行った課税仕入れについて
令和5年9月30日までに行った課税仕入れ等については、未成工事支出金にかかる仕入税額控除の時期の特例により、令和5年10月1日以後に仕入税額控除を行う場合においてもインボイスの保存は不要です。
区分記載請求書等の保存により仕入税額控除の適用を受けることができます。
<参考>
消費税法基本通達
11-3-5 未成工事支出金
「事業者が、建設工事等に係る目的物の完成前に行った当該建設工事等のための課税仕入れ等の金額について未成工事支出金として経理した場合においても、当該課税仕入れ等については、その課税仕入れ等をした日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのであるが、当該未成工事支出金として経理した課税仕入れ等につき、当該目的物の引渡しをした日の属する課税期間における課税仕入れ等としているときは、継続適用を条件として、これを認める。」
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日、元気にお過ごしくださいね!
[編集後記]
金曜日の「贈与や相続・譲渡など資産税」はお休みしました。
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