個人事業者の繰延資産「開業費」の取り扱いについて ~ 確定申告で間違えやすい項目
個人の税金の記事を掲載します。
今回は
償却期間経過後においても開業費は償却できます。償却期間経過後における開業費の任意償却について
紹介します。
たとえば
Q:
① 青色申告者Aさんは、7年前に病院を開業しました。
② 前年までは赤字であったため繰延資産(開業費3億円)の償却費を必要経費に算入していませんでした。
③ Aさんは、この繰延資産につき本年分および翌年分の確定申告において各1億5千万円の償却費を必要経費に算入することができますか?
A:
可能です
任意償却が可能な繰延資産の未償却残高はいつでも償却費として必要経費に算入することができます。
繰延資産(開業費)の償却費の計算については、60か月の均等償却または任意償却のいずれかの方法によることとされています
任意償却は、繰延資産の額の範囲内の金額を償却費として認めるもので、その下限が設けられていないことから、支出の年に全額償却してもよく、全く償却しなくてもよいとされています。
繰延資産となる費用を支出した後60か月を経過した場合に償却費を必要経費に算入できないとする特段の規定はないことから、繰延資産の未償却残高はいつでも償却費として必要経費に算入することができます。
なお
支出した開業費の内容およびその開業費の額が過年分において必要経費に算入されていないことを明らかにしておく必要があります。
(出所:国税庁 所得税「減価償却」質疑応答事例)
<参考>
→ 事業を始めた個人が、開業準備期間中に支出した費用(開業費)は必要経費になります
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日、元気にお過ごしくださいね!
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【編集後記】
「消費税」の記事はお休みしました。
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