口座振替や口座振込で家賃を支払う場合、その都度インボイスを受け取る必要はありません ~ インボイス制度 消費税[287]
消費税の記事を掲載します。
今回は
契約書に登録番号などが記載されていれば、契約書と通帳の保管でインボイスに代用できます
紹介します。
たとえば
Q:
1 事務所を賃借しており、口座振替により家賃を支払っています。
2 不動産賃貸契約書は作成していますが、請求書や領収書の交付は受けてません。家賃の支払の記録としては、銀行の通帳に口座振替の記録が残るだけです。
3 このような口座振替などにより代金を支払い、請求書や領収書の交付を受けない取引の場合、インボイスの保存要件を満たすためにはどうすればよいですか?
A:
原則はインボイスの保存が必要です
契約書に基づき代金決済が行われ、取引の都度、請求書や領収書が交付されない取引であっても、仕入税額控除を受けるためには、原則としてインボイスの保存が必要です。
インボイスをまとめて交付することができます
すなわち、インボイスは、一定期間の取引をまとめて交付することもできます。大家(貸主)から一定期間の賃借料についてのインボイスの交付を受けて、保存することによることができます。
インボイスは一の書類だけで全てが記載されている必要はありません
複数の書類で記載事項を満たせば、それらの書類全体で適格請求書の記載事項を満たすことになります。
契約書にインボイスとして必要な記載事項の一部が記載されており、実際に取引を行った事実を客観的に示す書類とともに保存しておけば、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。
つまり、インボイスの記載事項の一部(登録番号など)が記載された契約書とともに、通帳(日付や金額がわかります)を併せて保存することにより、仕入税額控除の要件を満たすことになります。
一方、口座振込により家賃を支払う場合は
インボイスの記載事項の一部(登録番号など)が記載された契約書とともに、銀行が発行した振込金受取書を保存することにより、インボイスの保存があるものとして仕入税額控除の要件を満たすことになります。
大家がインボイス発行事業者でなくなった場合
このような取引の都度、インボイスが交付されない取引について、取引の中途で大家(貸主)がインボイス発行事業者でなくなる場合が想定されます。
そうした場合は、事前に大家は借主にその旨を連絡する必要があります。
令和5年9月30 日以前からの契約について
借主は、令和5年9月30 日以前からの契約について、契約書に登録番号などのインボイスとして必要な事項の記載が不足している場合には、別途、登録番号などの記載が不足していた事項の通知を受け、契約書とともに保存していれば問題ありません。
一方、大家は登録番号などを記載した追加の書類を借主に送付する必要があります。
(出所:インボイスに関するQ&A 令和4年11月改訂 問85)
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日、元気にお過ごしくださいね!
[編集後記]
・金曜日の「贈与や相続・譲渡など資産税」の記事はお休みしました。
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。
また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。