売上代金を請求したら先方が振込のときに振込手数料を差し引いてきた場合 ~ インボイス制度 消費税[282]
消費税の記事を掲載します。
今回は
「1万円未満の少額な値引きは返還インボイスの交付不要の特例」について
を紹介します。
令和5年度税制改正大綱で
1万円未満の返還インボイスに係る特例として「1万円未満の対価の返還等については、返還インボイスの交付を不要とする」ことになりました。
見直し理由は、次の課題があったからです
決済の際に、買手側の都合で差し引かれた振込手数料を、売手が「売上値引き」として処理する場合に新たな事務負担(売手が返還インボイスを発行)になることがあったからです。
事務負担を軽減する観点から、値引きが少額(1万円未満)である場合、返還インボイスの交付を不要とすることになります。
<参考>
振込手数料の負担者について
振込手数料について契約書で負担者を明らかにしている場合は、そのルールに従うことになります。
そうしたルールの取り決めがなければ、商法または民法のルールに従い支払う者が負担すべきものとなります。
商法第516条
(債務の履行の場所)
「商行為によって生じた債務の履行をすべき場所がその行為の性質又は当事者の意思表示によって定まらないときは、特定物の引渡しはその行為の時にその物が存在した場所において、その他の債務の履行は債権者の現在の営業所(営業所がない場合にあっては、その住所)において、それぞれしなければならない」
民法
第484条
(弁済の場所及び時間)
「弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない」
第485条
(弁済の費用)
「弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする(省略)」
(出所:令和5年度税制改正大綱)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日、元気にお過ごしくださいね!
【編集後記】
・金曜日の「資産税」の記事はお休みしました。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
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