取引明細を取引の都度電子データで送っておいて、月に一度仕入明細書を紙で送るケース ~ インボイス制度 消費税[275]
消費税の記事を掲載します。
今回は
書面と電磁的記録を合わせた仕入明細書の場合もインボイスとして認められます
を紹介します。
たとえば
Q:次の場合、相手方の確認を受けた上で、書面の支払通知書と取引明細の電子データを合わせて保存することで、仕入税額控除の要件である仕入明細書の保存があることとなりますか?
1 当社はEDI取引を行っており、取引先と電磁的記録を交換することにより、日々の受発注などを行っています。
2 決済に当たっては、取引先から請求書は交付されません。当社が取引先に、月まとめで支払通知書を書面で交付しています。
3 支払通知書には相手方の登録番号の記載を行いますが、日々の取引の明細については、取引先から提供される電磁的記録である取引明細を参考にします。
A:
仕入明細書による仕入税額控除は可能です。
ただし、次の事項が記載されていることが必要となります。
また、保存すべき請求書には仕入明細書に係る電子データが含まれます。
① 仕入明細書の作成者の氏名または名称
② 課税仕入れの相手方の氏名または名称および登録番号
③ 課税仕入れを行った年月日
④ 課税仕入れに係る資産または役務の内容
⑤ 税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額および適用税率
⑥ 税率ごとに区分した消費税額
つまり
保存が必要な請求書の記載事項は、一の書類だけで記載事項を満たす必要はなく複数の書類や、書類と電子データについて、これらの書類(書類と電子データ)相互の関連が明確であり、適格請求書の交付対象となる取引内容を正確に認識できる方法で交付されていれば、その複数の書類や電子データの全体により適格請求書の記載事項を満たすことができます。
したがって、今回のケースでは
課税資産の譲渡等の内容(軽減税率の対象である旨を含みます。)を記録した取引明細に係る電子データと書面で作成する支払通知書の全体により、請求書の記載事項を満たします。
書面で作成した支払通知書と取引明細に係る電子データを合わせて保存することで、仕入税額控除のための請求書の保存要件を満たすことになります。
(出所:インボイスに関するQ&A 令和4年11月改訂 問78)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日、元気にお過ごしくださいね!
[編集後記]
・トップの画像は、北摂の某税務署の受付窓口。代理人としてお客様の過年度の確定申告書を閲覧するため行ってきました。
・金曜日の「贈与や相続・譲渡など資産税」はお休みしました。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」または「電子帳簿保存法の改正」
・火曜日~木曜日は「消費税」
・金曜日と土曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・日曜日は「経理・会計」
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